日本地震学会2022年度秋季大会

講演情報

ポスター会場(2日目)

一般セッション » S02. 地震計測・処理システム

[S02P] PM-P

2022年10月25日(火) 14:00 〜 17:30 P-1会場 (10階(1010〜1070会議室))

14:00 〜 17:30

[S02P-01] 震源位置とマグニチュードから推定する簡易的震度分布構造作成への試み

*関根 秀太郎1 (1. 公益財団法人 地震予知総合研究振興会)

はじめに  
 地震が発生すると,震源の位置とマグニチュード,そして各地の震度が発表される.しかし,多くの人にとっては,自分の住んでいる地域の震度がどれぐらいだったかに興味があると思われる.マグニチュードの推定に於いては観測点の最大振幅を用いて計算されている事が多く,最大振幅が大きければ,震度が大きく出るが,直接的に計測震度に紐づいているわけではない.もし,震源の位置とマグニチュードから簡易的に震度分布をみる事ができるならば,あらかじめ地震の起こりそうな場所に震源を置いて任意の地点の震度を計算する事ができるようになる事で,防災上にも役に立つかもしれない.そこで,本研究においては,過去の地震における計測震度とマグニチュードから,震源分布を再現できるような構造(以下震度分布構造と呼ぶ)を,Sekine(2005)の手法を改良する事により求める事を試みた.
データおよび解析手法
 気象庁の地震月報(カタログ編)にある震度データのうち,卓越周期等が記載されている2000年10月から2019年12月までのデータを用いた.これらのうち,震度1以上を記録した観測点が5点以上あるM5.5以下の21777個の地震のデータを用いる事にした.なお,記録している観測点は6795点である.地震の大きさをM5.5以下にしたのは,この大きさぐらいまでであれば,計算グリッドに対して破壊開始点と滑りの大きかった点が近傍であると近似できると考えたからである. これらのデータに対して減衰構造のインバージョンと同様の手法を用いる事により,震度分布構造を求めた.
結果
 震度分布構造は,厳密にいえば物理的な意味はないものであると思われるが,発表においては,震度分布構造の特徴や物理量である減衰構造との比較を示す.
謝辞
 本研究を行うにあたり,地震月報(カタログ編)のデータを使用いたしました.ここに記して感謝いたします.
参考文献
S.Sekine (2005): Tomographic Inversion of Ground Motion Amplitudes for the 3-D Attenuation Structure beneath the Japanese Islands, Report of the National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention, 68, 137-174