5:30 PM - 5:45 PM
[S03-07] Strain and barometric pressure observations of the 2022 Hunga-Tonga eruption with a laser strainmeter at Kamioka
我々は岐阜県飛騨市神岡町の重力波望遠鏡KAGRAのトンネル内に基線長1500 mのレーザー伸縮計(Geophysics Interferometer: GIF)を設置して2016年よりひずみ観測を行っている(Araya et al. 2017)。周波数安定化レーザーを用いることにより、GIFでは1 Hz以下の帯域で10-12台のひずみ分解能を定常的に実現しており、これまでに潮汐や地震に伴うひずみステップなどの現象を観測してきた。また、0.1 – 1 mHzの周波数帯域では坑内の気圧とGIFのひずみスペクトルの形に高い類似性がみられた。そこで、両者の比例関係を仮定してひずみ観測値から気圧の寄与を差し引く補正を試みたところ、その効果は最も良い場合でも約1/3倍にとどまった。この結果は、ひずみが局所的な気圧変化だけで決まるのではなく、より広域の気圧変動の影響を受けていることを示唆していると考えられる(Akutsu et al. 2021)。
2022年1月15日のフンガ・トンガ海底火山の大規模噴火は、津波や電磁場の擾乱をはじめ地球規模で様々な影響を及ぼした。噴火によって発生した大気Lamb波が地球を周回する様子は気圧や潮位の変動として各地で観測された。KAGRAサイトでもLamb波による気圧変動やインフラサウンド等が捉えられ、GIFでは気圧に伴うひずみの変化を明瞭に観測することができた。また、気圧変化とひずみには負の相関がみられ、その係数はおよそ-(2 – 3) x 10-10 /hPaであった。本講演では、このイベントの観測結果を紹介するとともに、気圧の影響を定量的に分析するために作成した有限要素モデルによる解析等について報告する。ひずみ計設置点だけでなく、周辺領域に加わる気圧の影響を含むモデルは、将来的には先に述べた広域の気圧変化とひずみの関係の理解に役立つものと期待できる。
2022年1月15日のフンガ・トンガ海底火山の大規模噴火は、津波や電磁場の擾乱をはじめ地球規模で様々な影響を及ぼした。噴火によって発生した大気Lamb波が地球を周回する様子は気圧や潮位の変動として各地で観測された。KAGRAサイトでもLamb波による気圧変動やインフラサウンド等が捉えられ、GIFでは気圧に伴うひずみの変化を明瞭に観測することができた。また、気圧変化とひずみには負の相関がみられ、その係数はおよそ-(2 – 3) x 10-10 /hPaであった。本講演では、このイベントの観測結果を紹介するとともに、気圧の影響を定量的に分析するために作成した有限要素モデルによる解析等について報告する。ひずみ計設置点だけでなく、周辺領域に加わる気圧の影響を含むモデルは、将来的には先に述べた広域の気圧変化とひずみの関係の理解に役立つものと期待できる。