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[S08P-11] Investigation of earthquake source scaling laws using dynamic rupture simulations with a hierarchical patch structure
地震破壊の成長過程とそれに伴う地震波の放射を理解することは、地震の物理や地震災害のために重要である。地震の震源パラメータのスケーリング則は、地震破壊の成長やその抑制に対する物理的過程を示唆しているが、スケーリング則の成り立ちが断層帯の物性の不均質性によるものかスケールに依存する摩擦構成則の特性によるものかどうかは明らかでない。そこで、本研究では、すべり弱化摩擦構成則に基づき、破壊エネルギーGcの階層構造を取り入れた断層上の自発的な動的破壊モデルが、震源パラメータに関するいくつかのスケーリング則を説明できるという仮説を検証する。このシミュレーションはスペクトル要素法で行われており、Aochi and Ide (2003)によって提案された効率的な計算手法を取り入れることで、数オーダーのスケールの地震破壊を扱うことができる。まず、破壊エネルギーGcの階層的なパッチで特徴づけられた断層上で、幅広いマグニチュード(M2からM6)の地震のシミュレーションを行った。次に、計算した地震の震源パラメータに関する様々なスケーリング則(地震モーメントと震源継続時間、マグニチュードと発生頻度の関係、モーメントの成長と時間、破壊エネルギーと地震性すべりなど)を定量化した。そして、モデルパラメータの値を変化させたときにこれらのスケーリング則がどのように変化するかを分析した。予備的な結果として、今回調べたモデルパラメータのうち、S値がスケーリング則のトレンドに大きな影響を与えており、スケーリング則がモデルパラメータの取りうる値の範囲を限定することが示唆された。今回得られたスケーリング則に影響を与える重要なモデルパラメータを特定し、このモデルを2次元断層で実装したときの取り組みを報告する。