The 2022 SSJ Fall Meeting

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Poster session (3rd Day)

Regular session » S09. Statistical seismology and underlying physical processes

[S09P] AM-P

Wed. Oct 26, 2022 9:30 AM - 12:00 PM ROOM P-1 (10th floor (Conference Room 1010-1070))

9:30 AM - 12:00 PM

[S09P-04] Numbers and duration of aftershocks on inland earthquakes in Japan

*Taichi Honda1, Takuji Yamada1 (1. Ibaraki University)

1. はじめに
余震とは、本震後に本震の断層およびその近傍で起こる本震よりも小さな地震である。日本全国について地震数の時間変化をグラフ化すると、余震数と本震の規模には単純な相関がない印象を受ける。そこで本研究では、日本内陸部で2003年から2018年の間に発生したマグニチュード(M)5.5以上の13地震について、余震数と余震継続時間を解析し、本震の規模との関係を議論する。

2.解析手法
余震の解析には、まず時空間的な余震の定義が必要である。空間的定義として、深さ0-30 km、本震の震央から距離R kmの円柱(余震域)を想定し、この余震域内に震源を持つ地震を余震の候補とした。このとき、Rは地震のスケーリング則を考慮し、とした。この余震の候補のうち、次の時間的定義を満たす地震を最終的に余震とした。時間的定義は2通りの手法を用いた。手法1として、まず、余震域内での本震前180日間の地震活動を「定常的な活動」と定義し、その地震数を集計した。そして、本震後t日からt+180日までの地震数を集計し、その地震数が「定常的な活動」の地震数以下になるtの値(整数値)を余震の継続時間とした。手法2として、余震活動が大森公式に従うと仮定した解析をおこなった。本震直後の余震数が発散しない改良大森公式は、次の(1) 式で表される。
n(t) = K (t+c)^(-p)・・(1)
ここで、cは通常1日以下の小さい値、pは1に近い値を取ることが知られている。c=0、p=1と仮定すると、(1)式は大森公式となり、単位時間あたりの余震数が経過時間tに反比例することが分かる。ここで、c=0、p=1を代入した(1)式の両辺を時間tで積分すると、次の(2)式を得る。
int_n(t) dt = K log_t ・・(2)
すなわち、左辺の積算余震数は、logtに対して傾きKの直線となり、余震が終了すると、この直線から外れるはずである。手法2では、この直線から外れるtの値を余震の継続時間とした。なお、解析対象地震の規模については、規模別頻度分布を作成して検討し、M2.0以上とした。

3.結果および考察
「1. はじめに」で述べた当初の研究の契機とは異なり、解析の結果、日本の内陸地震では本震の規模と余震数に相関が見られることがわかった(図1a)。これは、本震直後の余震活動の活発さと余震の継続時間が逆走間になることで、結果として余震数と余震継続時間の相関関係が成り立っている可能性が考えられる。また、図1の回帰直線からのずれは、それぞれの地震およびその発生地域の特性が表れているのかもしれない。次に、本震の規模と余震の継続時間の関係には、2種類の異なる解析手法の結果の両者に、緩やかな正の相関が見られた(図1b,c)。これは、余震の継続時間には本震の規模以外の要素が関わっていることが考えられる。本震が発生しなければ余震は発生しないことから、今後、各地震の破壊の複雑さと余震活動の相関を考察することにより、これらの原因について検討を進めたい。