9:30 AM - 12:00 PM
[S09P-11] Detection of low-frequency earthquakes at Mount Fuji and statistical analysis
富士山において発生する低周波地震を、マッチドフィルタ法(Peng & Zhao, 2009)を用いて検知し、その地震活動を統計解析した結果を報告する。
使用する検知システムは、箱根山の低周波地震の検知に用いられているシステムを(行竹, 2017; Yukutake et al., 2019)、富士山用に改良したものである。事前に、気象庁が維持管理する地震カタログから雛形(テンプレート)となる低周波地震を選択し、選択したテンプレート地震のテンプレート波形を準備する。本システムは、このテンプレート波形と富士山周辺の16観測点で2003-2019年に観測された連続波形記録との相関処理を行う。テンプレート地震と相関のあるシグナルが含まれている場合、テンプレート地震にマッチする地震が起きたと判断する。
本システムを用いて検知された地震の数は15,000を超える。相関係数は0.1から1まで取り得て、同係数の頻度分布は約0.2で頻度が最大になる傾向を示す。同係数0.2以上の低周波地震に、通常の地震の規模別頻度分布で成り立つグーテンベルグ・リヒター則(Gutenberg & Richter, 1944)が当てはまることを確認した。また、通常の地震の時間変化を定量的に扱うETAS モデル(e.g., Ogata, 1985, 1988; Kumazawa & Ogata, 2013)も低周波地震に応用できることを確認した。通常の地震、低周波地震に関わらず、これらの法則やモデルが適用可能である。
2011年3月11日に東北地方太平洋沖地震(マグニチュードM9.0)が三陸沖の太平洋を震源として発生し、その4日後に静岡県東部地震(M6.4)が富士山頂の南4km、深さ約15kmを震源として発生した。ETASモデルから、両地震の影響は気象庁カタログの低周波地震には見られなかったが、本研究で検知した低周波地震には静岡県東部地震のタイミングで活発化したことが見られた。富士山の低周波地震の発生域周辺では静岡県東部地震により応力変化があったと指摘されており(Fujita et al., 2013)、低周波地震の活発化のきっかけになった可能性がある。現在統計解析による追試を進めており、本発表では最新の結果を紹介する予定である。
使用する検知システムは、箱根山の低周波地震の検知に用いられているシステムを(行竹, 2017; Yukutake et al., 2019)、富士山用に改良したものである。事前に、気象庁が維持管理する地震カタログから雛形(テンプレート)となる低周波地震を選択し、選択したテンプレート地震のテンプレート波形を準備する。本システムは、このテンプレート波形と富士山周辺の16観測点で2003-2019年に観測された連続波形記録との相関処理を行う。テンプレート地震と相関のあるシグナルが含まれている場合、テンプレート地震にマッチする地震が起きたと判断する。
本システムを用いて検知された地震の数は15,000を超える。相関係数は0.1から1まで取り得て、同係数の頻度分布は約0.2で頻度が最大になる傾向を示す。同係数0.2以上の低周波地震に、通常の地震の規模別頻度分布で成り立つグーテンベルグ・リヒター則(Gutenberg & Richter, 1944)が当てはまることを確認した。また、通常の地震の時間変化を定量的に扱うETAS モデル(e.g., Ogata, 1985, 1988; Kumazawa & Ogata, 2013)も低周波地震に応用できることを確認した。通常の地震、低周波地震に関わらず、これらの法則やモデルが適用可能である。
2011年3月11日に東北地方太平洋沖地震(マグニチュードM9.0)が三陸沖の太平洋を震源として発生し、その4日後に静岡県東部地震(M6.4)が富士山頂の南4km、深さ約15kmを震源として発生した。ETASモデルから、両地震の影響は気象庁カタログの低周波地震には見られなかったが、本研究で検知した低周波地震には静岡県東部地震のタイミングで活発化したことが見られた。富士山の低周波地震の発生域周辺では静岡県東部地震により応力変化があったと指摘されており(Fujita et al., 2013)、低周波地震の活発化のきっかけになった可能性がある。現在統計解析による追試を進めており、本発表では最新の結果を紹介する予定である。