The 2022 SSJ Fall Meeting

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Room D

Regular session » S12. Rock experiment, rock mechanics, and crustal stress

[S12] PM-2

Mon. Oct 24, 2022 3:45 PM - 5:15 PM ROOM D (5th floor (Training Room 520))

chairperson:Hironori Kawakata, Kentaro Omura(NIED)

5:00 PM - 5:15 PM

[S12-06] Frictional behavior of clayey gouge at intermediate velocity range

*Hanaya Okuda1, Takehiro Hirose2, Asuka Yamaguchi1 (1. Atmosphere and Ocean Research Institute, University of Tokyo, 2. Kochi Institute for Core Sample Research, Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology)

粘土鉱物は摩擦係数が低く、沈み込み帯にも多く存在することから、沈み込み帯における断層挙動の議論に粘土鉱物の摩擦特性の理解は不可欠である。しかし、粘土鉱物を含む断層ガウジの摩擦挙動は中速度条件では十分に理解されておらず、そのような断層におけるすべりが高速すべりに移行するか、もしくは低速すべりに留まるかはよくわかっていない。そこで本研究では、石英-スメクタイト混合物および火山ガラス-スメクタイト混合物のガウジに対して、有効垂直応力5 – 12.5 MPa、流体圧10 MPaまたは窒素ガス乾燥条件、すべり速度10 μm/s – 3 mm/sで摩擦実験を行い、その滑り挙動と地震との関連性を検討した。その結果、粘土を少量(〜15%)含むガウジの定常摩擦強度は、流体圧存在下かつ0.1 – 3 mm/sの速度条件において急激に低下することがわかった。また、すべり速度を下げると摩擦強度は指数関数的に低速度条件での摩擦強度への回復を示し、これらの弱化および強化に要したすべり距離は約0.1 mであった。このような摩擦強度の急激な変化は、粘土鉱物が含まれていない場合や乾燥した系では観察されなかった。したがって、流体存在下における粘土鉱物の存在がこの挙動の鍵を握っていると考えられる。なおガウジ近傍の温度測定や、有限要素法による熱拡散・流体拡散のモデリングからは、摩擦熱による流体圧の上昇は摩擦強度に影響していないことが示されている。発表では、観測されたすべり挙動の物理的背景と、断層すべり力学への影響について議論したい。