12:00 PM - 12:15 PM
[S15-15] Correlation between strong motion intensities based on the unified strong motion database by NIED
簡易的な地震動予測方法として地震動モデル(Ground Motion Model; GMM)は広く用いられているが、GMMは過去に発生した地震による観測記録を用いて回帰分析等を行い、経験的に構築されるものである。通常、GMMは目的変数である地震動強さのパラメータ(最大加速度、最大速度、応答スペクトルなど)をマグニチュード、震源距離などの説明変数の関数として構築されている。これまでに世界中に多くのGMMが提案されているが、これらのGMMでは、目的変数となるの地震動強さのパラメータの定義はさまざまであり、例えば同じ水平地震動の最大値でも水平2成分の最大値のうち、大きいほうの値なのか、その平均値なのかで異なる。そのため、GMMを用いた地震動評価を行う際に、地震動強さパラメータの補正が必要になる。これまでの研究では、福島(1993)によるレビュー論文では、Campbell (1985)を引用した形で地震動強さパラメータ間の関係を議論されているが、検討の詳細は明らかにされていないようである。そこで、本研究では、森川・他(2022)による強震動データベースに収録されている豊富な観測記録を利用して、地震動強さパラメータ間の関係を調べたので、その結果を報告することとした。 検討対象になるのは、下記のものとする。 (1)地震動最大値のうち、水平2成分のうち大きいほうの値とその平均値の違い (2)地震動最大値(PGA、PGV)と応答スペクトルとの関係 (3)計測震度とその他の地震動パラメータ(PGA、PGV、SI値等)の関係 本研究により、暫定的な検討結果として、以下のことが分かった。 (1)地震動最大値のうち、水平2成分のうち大きいほうの値PGAmとその平均値PGAvの関係は、lnPGAv=0.995*lnPGAm-0.156で表すことができる。 (2)PGAは5%減衰0.02秒加速度応答スペクトルのRotD50にほぼ等しいことが分かり、PGVは5%減衰0.5秒~1秒加速度応答スペクトルののRotD50のうち、5%減衰0.6秒のRotD50との相関関係(Pearson相関係数)が最も強いことは分かった。 (3)計測震度とPGA、PGV、SI値の関係のうち、PGA、SI値との相関が高く、Pearson相関係数では、それぞれ0.60と0.54の値となった。 今後、強震動データベースの詳細をさらに調べを行い、より詳細な解析を実施したいと考えている。