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[S15P-15] Estimated seismic intensity history for 26 years in Japan
1995年の阪神・淡路大震災における俯瞰的な被害状況の把握や初動対応の遅れ等の反省から、全国を均質に覆う強震観測網や震度観測網の整備が行われ、25年以上が経過し、2011年東北地方太平洋沖地震のような海溝型の巨大地震や、2016年熊本地震のように内陸活断層の極近傍での貴重なデータが得られている。本研究では、このような稠密な観測網での観測が行われ始めた1996年以降の震度データを用い、地盤の増幅度を考慮した空間補間を行うことで、過去26年間の日本列島の揺れの履歴を推定することを目的とする。なお、対象とした地震は1996年5月から2022年2月の間に発生し、概ね震度3以上を観測した約5200地震である。 震度の空間的な分布の推定については、まず地表で観測された計測震度データ(K-NET、KiK-net、気象庁及び地方公共団体の震度観測点)を藤本・翠川(2005)により、最大速度に変換し、地表での増幅率を除することで、工学的基盤最大速度を求める。このような処理で得られた観測点直下の工学的基盤の最大速度を、逆距離加重法(IDW)等を用いて250mメッシュに空間補間した後、増幅率を乗じて地表最大速度を推定し、震度の面的分布を算出する。なお、ここで用いる増幅率は、全国を対象として作成された地形・地盤分類250mメッシュマップから求められた地表から深さ30mまでの平均S波速度に基づくものである。 図に求めた最大推定震度分布を示す。大半の人が、恐怖を覚え、物につかまりたいと感じると言われる震度5弱以上に見舞われた地域は、陸域の約34%となり、震度曝露人口(夜間人口)にすると6780万人(全人口の約53%)に相当していた。さらに、震度6弱以上に見舞われた地域は、陸域の6.9%程度、震度曝露人口は980万人(約7.7%)に相当していた。また、2011年東北地方太平洋沖地震発生直前までの10年間と、その後の東北地方太平洋沖地震を含む10年間で比較すると、陸域に占める震度5弱以上の地域の割合は18%と22%、震度6弱以上では2.5%と4.6%であった。最後に、本研究では250mメッシュで震度の推定を行っていることから、各地点の震度の履歴についても紹介したいと考える。 謝辞:推定震度を求める際に、防災科研のK-NETとKiK-net、気象庁及び地方公共団体のデータを利用した。