The 2022 SSJ Fall Meeting

Presentation information

Room D

Regular session » S18. Education and history of seismology

[S18] AM-2

Wed. Oct 26, 2022 11:15 AM - 12:00 PM ROOM D (5th floor (Training Room 520))

chairperson:Yoshinari Hayashi(Faculty of Societal Safety Sciences, Kansai Univ.)

11:45 AM - 12:00 PM

[S18-03] Significance of holding the event: 2022 summer school for school teachers in Sakaiminato city & Daikon Island

*Hiroo NEMOTO1, Ken’ich ARAI2, Akihiko ITO3, Yasuyuki KANO4, Makoto YAMANO4, Masashige MINAMISHIMA5, Hideki MUKOYOSHI6, Hiroki HAYASHI6, Takao KAGAWA7 (1. Ritsumeikan Univ., 2. Sakae Higashi UPR Sec. Sch., 3. The Open Univ. of Japan, 4. ERI, 5. Ryogoku Sec. Sch., 6. Shimane Univ., 7. Tottori Univ.)

1.はじめに  
学校教育委員会は1996年度から教育関係者相互,研究者と教育関係者との間の交流を図り,こうした交流を通して学校教員等への地震学の知識普及を進めることを目的として,教員サマースクール(以降,教員SSと記す)を毎年度開催してきている.ただし,2020~2021年度はCOVID-19の影響により教員SSの開催を諦め,教員ウィンターミーティングを代替行事としてオンラインにて実施した.2年間の中断はあったものの,2022年度は第25回教員SSを対面で開催することとし準備を進めた.

2.2022教員SSの概要
第25回教員SSの開催地,日程,タイトル,目的,および講師陣は以下の通りである.
開催地:鳥取県境港市,島根県松江市の大根島および島根半島
日程:2022年8月20日(土)~ 8月21日(日)
タイトル:妖怪の足音ききくらべ -地震計をもって境港と溶岩の島をあるく-
目的:2000年10月6日に発生した平成12年(2000年)鳥取県西部地震での境港市内の揺れの違いを微動観測から考え,さらに宍道断層ほかの活断層と活断層地形について学び,あわせて大根島の自然,中海干拓事業とその中止の経緯とから自然環境に対する意識を高める.
講師陣(敬称略):
8月20日:香川敬生
8月21日:林 広樹,向吉秀樹

3.2022教員SSの内容
初日は,平成12年(2000年)鳥取県西部地震にて境港市内でみられた特徴的な震度分布の秘密を探る方法を,観測実習を通して学ぶことを目的とした.観測実習地点は,境港駅横,アメダス境観測所横,境港市役所構内の3点とし,最後に境港商工会議所会議室にてデータ解析の流れに触れる講習を行う内容とした.  
二日目は野外にて,宍道断層による活断層地形の観察など地震に関係する野外観察を主体とした内容とし,さらに地震に関係する内容だけに留めず,スコリア丘訪問,中海干拓事業の歴史に触れる,などを通して,自然環境に対する意識を高める野外活動の内容とした.当日の行程(好天時)は以下とした.
華厳寺第一展望台(大根島,中海の俯瞰)  
NHK松江FMラジオ送信所横(宍道断層による活断層地形を観察)  
輝陽礦業(有)砕石工場(断層露頭,断層地形の観察)  
大根島本陣(熔岩庭園観察)  
スコリア丘(大塚山公園)と熔岩トンネル(竜渓洞)との観察
波入の湧水(かわ),波入港親水公園内の湧水にて淡水レンズによる湧き水に触れ,チュムラス,柱状節理の観察
なお,雨天時には,島根半島・宍道湖中海ジオパーク松江ビジターセンターを訪問し,その後に大根島の各サイトを訪ねる計画とした.

4.参加者の内訳
人口密集地帯から距離がある地での開催だったためか,定員20名に対して参加申込者数は10名と若干低調であった.10名の内訳は次の通りである.
小学校教員2名(うち1名は小中学校教員)  
中学校教員1名  
高等学校教員6名  
学士課程学生(大学生)1名
残念ながら地元教員の参加が0であったが,全国各地からの参加者となった.勤務校(在籍校)がある都道府県名を北から順に並べると,山形県,埼玉県,東京都,神奈川県,石川県,滋賀県,大阪府であった.

5.準備時に判明した課題
COVID-19対策を行うために定員を抑え,大型バスの利用を想定した.しかし,下見時には大型バス通行可であった道でも,その後に沿道の樹木の枝が垂れ下がるなどといった道路状況の変化により通行不可となった道があった.対策として,途中の山道区間は片道15分程度であることから,小型バスに乗り換えて移動を行うこととした.この分,バスの借り上げ代金が予定を上回ることとなってしまった.  
COVID-19対策が不要であれば,準備段階の初期から小型バスでの移動を想定した定員やコース設定が可能であったと考えられる.よって,2022年度もCOVID-19による影響を受けていたといえる.今後もCOVID-19による影響がしばらく続く可能性もあるので,開催地を決める段階から移動手段を考慮していく必要のあることが明らかとなった.
なお,本予稿提出締切日が8月19日であったことから,本番を通してのまとめをここに記すことができない.発表では本番の様子も紹介し,3年振りに再開した教員SSの成果と今後の開催に向けて明らかとなった課題等に関しても報告する.

謝辞  大根島本陣の皆様,輝陽礦業(有)砕石工場,竜渓洞のジオガイドの門脇様,地元の方,以上の皆様からご助力をいただきました.ここに記して深謝します.

参考文献
島根大学大学院総合理工学研究科地球資源環境学領域,2013,ウェブ版 島根地質百選, <https://www.geo.shimane-u.ac.jp/geopark/ (2022年8月17日閲覧確認)>