The 2022 SSJ Fall Meeting

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Room C

Regular session » S19. Seismology, general contribution

[S19] PM-3

Mon. Oct 24, 2022 5:15 PM - 6:00 PM ROOM C (8th floor (Training Room 820))

chairperson:Keisuke Onodera(Earthquake Research Institute, The University of Tokyo)

5:15 PM - 5:30 PM

[S19-01] Room Seismic Intensity measurement by a ultra compact seismometer

*Naoshi HIRATA1, Takashi FURUYA2, Hiroshi TSURUOKA1 (1. ERI, Univ. of Tokyo, 2. ISAD)

はじめに
一般家庭の壁にある電源コンセントに差し込むだけ、固定して室内の揺れ(室内震度)を計測し、インターネット経由で波形データ、計測震度などの情報を収集するシステムを開発した。この仕組みによって、一般家庭、事務所などの地震にいる揺れを「計測震度」によって知り、防災行動に結びつくかどうかの実験を神奈川県座間市、東京都新宿区、千葉県成田市などで実施した。

システム
一般消費者用のMEMS、WiFiを搭載した基盤搭搭載コンピュータ(Raspberry Pi)と、AC/AD変換電源を容器に詰め一体化し、家庭用の100Vコンセントに差し込めるようにした(コンセント差し込み方式小型地震計)。この地震計から、データがWiFi経由で、3成分100Hzの加速度連続記録、最大加速、計測震度値などをデーターサーバーに転送される。さらに、解析サーバー経由で、Webで閲覧可能な情報として、3成分加速度波形、1Hzにデシメーションした3成分ベクトル合成包絡波形、PGA、計測震度(室内震度)が提供される。

計測実験
2021年9月から2022年3月まで、神奈川県座間市で、一般市民20人に対して、10人には本システムを設置し、10人には設置せずに、有感地震時の揺れの体感(体感震度)や防災行動に関するアンケート調査を実施した。また、東京都新宿区の高層ビル、千葉県成田市の事業所ビルにも同様の装置を設置し、室内震度を計測した。

測定結果
室内の揺れを、計測震度を計算するのと同じアルゴリズムで測定すると、一階での測定では、基本的に最寄りの気象庁震度と同様な値が得られた。しかし、数百m程度離れた場所でも、震度階級1程度の増減があることが分かった。さらに、高層ビルの場合には、低層階と高層階で計測震度は異なり、高層階ほど大きくなることも確かめられた。

アンケート調査結果
地震計を設置した被験者と設置しない被験者とで、防災意識に差がでることを期待した実験であったが、今回の調査では顕著な差は現れなかった。対象者が少なかったことと、有感地震数、特に、大震度の揺れが少なかったことが原因と考えられる。今後、実験の規模を大きくして継続する。

まとめ
室内で勘弁に設置できる揺れの測定装置を開発して、一般市民の防災意識の向上に貢献するためのシステム作りをはじめた。現状では、データが不足しているが、比較的近隣の場所、階によって、計測震度が異なることは示せた。今後は、データ数を増して、統計的に意味のあるデータを取得する。