The 2023 SSJ Fall Meeting

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Room C

Regular session » S03. Crustal deformation, GNSS, and gravity

[S03] PM-1

Tue. Oct 31, 2023 1:30 PM - 2:45 PM Room C (F202)

chairperson:Yusuke Yokota, Tadashi Ishikawa

1:30 PM - 1:45 PM

[S03-09] Representation of underwater sound speed structure in GNSS-A

*Yusuke YOKOTA1, Tadashi Ishikawa2, Shun-ichi Watanabe2, Yuto Nakamura2, Koya Nagae2 (1. Institute of Industrial Science, University of Tokyo, 2. Hydrographic and Oceanographic Department, Japan Coast Guard)

GNSS-Aでは海洋場,とくに海中音速場の傾斜状態を正しく推定することが局位置決定精度に重要である.これは,GNSSにおける大気・電離圏遅延の推定と同様であるが,場全体における影響の度合いや高さ方向の位置のばらつき方に大きな違いがある.

GNSS-Aにおいて代表的な解析手法であるGARPOS version 1.0.0 (Watanabe et al., 2020) では,海面と海底にある海上局の位置と海底局の位置に依存してパラメータ推定を行う.海中の傾斜場を海表面と海底面に投影してg1g2(以下ベクトルGとする)として推定している.これは他のSeaGap (Tomita & Kido, 2023) などで推定されるパラメータとも相互に関連づけることができる.

屈折の影響が小さくほぼ無視できると考えると,Gは,場の傾斜状態を無数に分解し,その影響の合算として与えられる.この時,Gg2-g1平面にプロットすることを考える.プロットされた点が第1,第3象限(sgn(g1)=sgn(g2))の時は1枚の傾斜場レイヤーに近似して考えることができる.第2,第4象限(sgn(g1)≠sgn(g2))の時はそのように考えることができないため,複雑な場やバイアス的な誤りを想定しなければならない.

次に3次元の場合を考える.この時,g1g2はそれぞれE方向とN方向のような2方向に分割して推定される.ゆえにg1g2が直交2方向に対して得られる.この直交する2つの方向,例えばEとN方向に対して(g1E, g1N)ベクトルと(g2E, g2N)ベクトルのなす角がπ/2以下の時,適切な方向を取る(例えば座標をΦ回転させる)とG, Gともに1枚の傾斜場レイヤーに近似して考えることのできる値になる.ところが,π/2より大の時,どのような方向を取っても1枚で近似できない方向が生じる.この時,先ほどのg2-g1平面に同様にプロットするとその分布や座標回転時の軌道から場の状態やバイアス誤差の考察を容易に行うことができる.

この手法を用いると,実際のデータでも各観測機会のGを比較することで観測時の場の状態やバイアス誤差の有無を検証することができる.

謝辞:本研究は地震研究所共同利用ERI JURP 2022-Y-KOBO25 ,SECOM 科学技術財団,科研費学術変革領域 (A) “Science of Slow-to-Fast Earthquakes“のJP21H05200の助成を受けました.