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[S07-02] Adjoint inversion of antipodal PKPab waveforms for P wave velocity anomaly at the base of lower mantle
我々は、内外核境界の構造を研究するために、地震の対蹠点で観測された地震波形を解析してきた(Butler and Tsuboi, 2010,2021,2023)。 これまでは、PKIIKP と IOCB で回折した波形に注目してきたが、対蹠点での PKPab 波は波線の収束のため、大きな振幅が観察される。スペクトル要素法を使用して PKPab 波を数値的にモデル化すると、観測された PKPab の一部は理論地震記録と比較して到着時間が大幅にずれている場合がある。これは、理論地震記録の計算に使用される 3D マントルモデルに最下部マントルにおける Vp の不均質性が反映されていない可能性があることを示唆している。 ここでは、対蹠点のPKPab波を使用してアジョイント・インバージョンを実行し、最下部マントル底部の不均質なVp構造を推定することを試みた。 我々は過去 30 年間で、S/N 比の高い対蹠点観測点を調べ、震央距離が 179.5 度より大きく、Mw が 7.0 未満である 20 の震源と観測点のペアを選択した。 JAMSTEC の地球シミュレータ上で SPECFEM3D_GLOBE ソフトウェアを使用して、不均質マントルモデルの理論地震波形を約 6.9 秒の精度で計算した。計算に使用したパラメータは NEX=640、コア数は 9600 である。 観測された地震記録と計算された地震記録の両方の鉛直成分からPKPab位相を取得し、アジョイントソースを計算してマントル内のVpの感度カーネルを求めた。 地球シミュレータの 9600 コアを使用して感度カーネルを計算するには、CPU 時間で約 6 時間を必要とした。各地震―観測点ペアについて計算された Vp 感度カーネルは、CMB の広い領域をカバーする最下部のマントルに特徴的な環状パターンを示している。 したがって、地震と観測点のペアの数は多くはないが、マントル底部の Vp 構造に対する PKPab 波の感度カーネルを足し合わせることで、CMB での Vp 構造の不均質性をモデル化するのに十分となる可能性がある。 各イベント カーネルを足し合わせて最下部のマントルに Vp の感度カーネルを設定し、インバージョンを数回繰り返して D”領域 のVp構造を推定した。 我々が得た、下部マントルの基部で更新された 3D マントル Vp モデルは、現時点では、主な変化は南アメリカと南太平洋に存在している。 追加の反復を実行してモデルを更新し、その結果について発表で議論する予定である。