[S09P-09] Ratio of inter-plate to intraplate earthquakes in subduction zone around Japan
海溝型地震には、沈み込む海洋プレートと陸側の大陸プレートの境界で発生するプレート間地震と、沈み込むプレート内部で発生するプレート内地震がある。プレート内地震により観測される地震動の短周期成分(おおむね周期1秒以下)は、同一規模のプレート間地震よりも大きいことが知られている。従って、地震ハザード評価において区別することが必要となる。地震調査研究推進本部(地震本部)の「全国地震動予測地図」では、南海トラフ沿いの大地震などの一部の地震を除き、海溝型地震は震源断層を予め特定しにくい地震としてモデル化されている。その発生頻度は、プレート間地震とプレート内地震を合算した地震カタログデータに基づいてb値を0.9と仮定したグーテンベルグ-リヒターの関係式によりモデル化し、地域ごとに定められたプレート間地震とプレート内地震の比率で分配することでそれぞれの頻度を算出している。その比率は、特に太平洋プレートの地震に関しては、ほとんどの地域において震源位置のみから推定されたものであった。 一方で、近年の地震観測網の整備とデータの蓄積により、震源メカニズム解が推定される地震は増加しており、地震調査委員会による評価も蓄積されている。これらに基づいて森川・他(2023)では強震動データのフラットファイル作成の一環として、震源ファイルに地震種別(地殻内地震、プレート間地震、プレート内地震)の分類を行った。本検討では、このフラットファイルにおけるプレート間地震とプレート内地震の比率について分析した結果を報告する。