11:15 AM - 11:30 AM
[S18-08] Hands-on Training Courses Using Historical Materials on Earthquakes
歴史地震研究には,地震の被害や揺れなどが記述された歴史資料(史料)が用いられる.この地震史料を教材として,歴史地震や地震について紹介する体験型の授業を企画した.
2017年から,日本学術振興会の「ひらめき☆ときめきサイエンス」のプログラムとして「古文書を読んでむかしの災害を調べよう」を開催している.プログラムの前半で歴史地震研究の概要や手法を紹介し,後半には,実習形式で,実際に史料の解読に取り組むというプログラムである.史料を解読するために使う辞書などを用意し,実際の研究の雰囲気を味わうことができるように工夫している.史料の解読は,「地震」という文字を探してみよう,「日時」探してみよう,「場所」を探してみようというクイズ形式での解説からはじめ,慣れてきたところで,他に読める部分を探して読んでみるといった進行にしている.「日時」や「場所」に注目するのは,比較的見つけやすい上,現代でも地震が発生したときに,発生日時や,揺れ(震度)の観測地点に関する情報が発信され,これらをもとに震源が推定できるという説明と対応させたものである.中学生を対象にした年度もあったが,最近は高校生を対象にしている.理科(地学),歴史や古典に興味をもつ生徒の参加が多い.参加者からは,古典に関係するプログラムが少なく選択したという声もあった.
歴史地震をテーマにした出前授業の依頼や見学の受け入れもおこなっている.講義や実習にあてられる時間や,生徒さんの興味の対象にもよるが,「ひらめき☆ときめきサイエンス」や,京都大学や東京大学の1・2回生向けのゼミ形式の授業の経験も踏まえて,史料を読む体験ができるような構成になるようにしている.
2022年の大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎での講義では,1854年安政南海地震による大阪の津波被害を伝える瓦版を題材とした.地元の地名であることと,絵地図に描かれているようすを手がかりに読みすすめた.最後に読みとった地名と浸水範囲を,ハザードマップと重ね合わせて,過去の出来事と将来起こりうる地震とのつながりを考えるような内容とした.
出前授業では理科あるいは地学の先生方からお声かけいただく場合が多いが,高校や中学校では,教科を超えた課題としても適当なのではないかと考えている.ある中学校で出前授業を実施していたとき,地球や地震の話をしているときは退屈そうにしていた生徒さんが,豊臣秀吉の時代の大地震,という話題に移った途端に目を輝かせて聞きはじめたということもあった.地震史料を中心とした話題の展開は,さまざまな興味をもつ人々に,地震や防災について伝えられる可能性もあると考えている.
2017年から,日本学術振興会の「ひらめき☆ときめきサイエンス」のプログラムとして「古文書を読んでむかしの災害を調べよう」を開催している.プログラムの前半で歴史地震研究の概要や手法を紹介し,後半には,実習形式で,実際に史料の解読に取り組むというプログラムである.史料を解読するために使う辞書などを用意し,実際の研究の雰囲気を味わうことができるように工夫している.史料の解読は,「地震」という文字を探してみよう,「日時」探してみよう,「場所」を探してみようというクイズ形式での解説からはじめ,慣れてきたところで,他に読める部分を探して読んでみるといった進行にしている.「日時」や「場所」に注目するのは,比較的見つけやすい上,現代でも地震が発生したときに,発生日時や,揺れ(震度)の観測地点に関する情報が発信され,これらをもとに震源が推定できるという説明と対応させたものである.中学生を対象にした年度もあったが,最近は高校生を対象にしている.理科(地学),歴史や古典に興味をもつ生徒の参加が多い.参加者からは,古典に関係するプログラムが少なく選択したという声もあった.
歴史地震をテーマにした出前授業の依頼や見学の受け入れもおこなっている.講義や実習にあてられる時間や,生徒さんの興味の対象にもよるが,「ひらめき☆ときめきサイエンス」や,京都大学や東京大学の1・2回生向けのゼミ形式の授業の経験も踏まえて,史料を読む体験ができるような構成になるようにしている.
2022年の大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎での講義では,1854年安政南海地震による大阪の津波被害を伝える瓦版を題材とした.地元の地名であることと,絵地図に描かれているようすを手がかりに読みすすめた.最後に読みとった地名と浸水範囲を,ハザードマップと重ね合わせて,過去の出来事と将来起こりうる地震とのつながりを考えるような内容とした.
出前授業では理科あるいは地学の先生方からお声かけいただく場合が多いが,高校や中学校では,教科を超えた課題としても適当なのではないかと考えている.ある中学校で出前授業を実施していたとき,地球や地震の話をしているときは退屈そうにしていた生徒さんが,豊臣秀吉の時代の大地震,という話題に移った途端に目を輝かせて聞きはじめたということもあった.地震史料を中心とした話題の展開は,さまざまな興味をもつ人々に,地震や防災について伝えられる可能性もあると考えている.