9:15 AM - 9:30 AM
[S19-01] Attempt to understand the use of NIED MOWLAS data (2019-2022) based on data DOI citation information
データDOIとは、研究データに付与される国際的なデジタルオブジェクト識別子(DOI)のことである。防災科研では、陸海統合地震津波火山観測網MOWLASを構成する様々な観測網などで得られた観測データを公開している。これらの観測データに対して、防災科研は2019年2月以降 データDOIを順次付与しており、MOWLASなどの観測データを論文や研究発表などで使用する際にはデータDOIを引用出来るようになった 。本研究では、2019年から2022年までにおけるデータDOIの引用状況を調査し、どのようにMOWLAS観測データが活用されていたのかを調べた。
文献情報には2023年4月14日時点でWeb of Scienceに収録されていたものを用いた。調査対象とした文献はScience Citation Indexに収録されているジャーナルから出版されたものとした。引用間違いは目視によって省いた。
データDOIを引用した文献の数を表す出版物数は対象期間内において全体として増加している。MOWLASを構成する各観測網(Hi-net・K-NET, KiK-net・F-net・V-net・S-net・DONET)の出版物数の合計は期間全体で160を超える。観測網ごとに見ると、最も出版物数が多いのがK-NET, KiK-netで、次にHi-net、そしてF-netが続く。K-NET, KiK-netの出版物数は年々伸びているが、H-netやF-netの出版物数は2021年から頭打ちしている傾向が見られる。ただしこの頭打ちが一時的なものかどうかはより長いスパンでの調査が必要である。出版物数の伸びに合わせて、データDOIを引用した文献の引用数である被引用数も年々増えている。上記の7観測網の期間全体での被引用数の合計は700を超える。
また出版物数をジャーナル毎に比較することも行った。出版物数が多かったジャーナルのトップ5を順に並べるとEPS、JGR Solid Earth、GJI、GRL、BSSAとなる。ジャーナルごとに各観測網の出版物数の割合が異なっており、EPSはバランスよく、JGR Solid EarthやGRLではHi-net・F-netが多く、GJIやBSSAではK-NET, KiK-netが多いという傾向が見られた。
今後はデータDOIの引用情報の更なる解析を進めるとともに、定点的な調査を行っていくことが重要である 。将来にわたって地震津波火山観測網を維持管理し、観測データを公開し続けるためには、観測データが広く利活用され、地震学や地震工学を始めとする研究の発展に貢献していることを客観的に証明していく必要がある。引き続き研究開発におけるMOWLASデータの活用ならびにデータDOIの適切な引用をお願いする所存である。
文献情報には2023年4月14日時点でWeb of Scienceに収録されていたものを用いた。調査対象とした文献はScience Citation Indexに収録されているジャーナルから出版されたものとした。引用間違いは目視によって省いた。
データDOIを引用した文献の数を表す出版物数は対象期間内において全体として増加している。MOWLASを構成する各観測網(Hi-net・K-NET, KiK-net・F-net・V-net・S-net・DONET)の出版物数の合計は期間全体で160を超える。観測網ごとに見ると、最も出版物数が多いのがK-NET, KiK-netで、次にHi-net、そしてF-netが続く。K-NET, KiK-netの出版物数は年々伸びているが、H-netやF-netの出版物数は2021年から頭打ちしている傾向が見られる。ただしこの頭打ちが一時的なものかどうかはより長いスパンでの調査が必要である。出版物数の伸びに合わせて、データDOIを引用した文献の引用数である被引用数も年々増えている。上記の7観測網の期間全体での被引用数の合計は700を超える。
また出版物数をジャーナル毎に比較することも行った。出版物数が多かったジャーナルのトップ5を順に並べるとEPS、JGR Solid Earth、GJI、GRL、BSSAとなる。ジャーナルごとに各観測網の出版物数の割合が異なっており、EPSはバランスよく、JGR Solid EarthやGRLではHi-net・F-netが多く、GJIやBSSAではK-NET, KiK-netが多いという傾向が見られた。
今後はデータDOIの引用情報の更なる解析を進めるとともに、定点的な調査を行っていくことが重要である 。将来にわたって地震津波火山観測網を維持管理し、観測データを公開し続けるためには、観測データが広く利活用され、地震学や地震工学を始めとする研究の発展に貢献していることを客観的に証明していく必要がある。引き続き研究開発におけるMOWLASデータの活用ならびにデータDOIの適切な引用をお願いする所存である。