The 2023 SSJ Fall Meeting

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Poster session (Sept. 17th)

Regular session » S19. Seismology, general contribution

[S19P] PM-P

Wed. Nov 1, 2023 5:00 PM - 6:30 PM Room P10 (F201 and 3 side foyer) (Hall Annex)

[S19P-02] Fundamental study on fault structure development by X-ray CT imaging of analog experimental equipment

*Naoto INOUE1, Naoko Kitada1, Noriyuki Shibuya2, Masashi Omata2 (1. Geo-Research Institute, 2. PASCO)

地震により地表地震断層が発生すると,断層主部(主断層)よりも離れた場所に副次的な断層(副断層)が発生することがある.原子力施設などの重要施設には副断層の発生範囲や変位量は,基本的に事前に分布が把握されている活断層より離れて発生するため,断層変位ハザードを考える上で重要な情報であるが,その発生メカニズムに関しては未解明な部分も多い.このために,表面で発生した断層構造が地下でどのような形状をしているのかを検討することは有用であると思われる. そこで,X線CT撮影装置で測定可能なサイズに縮小した縦ずれ断層型・横ずれ断層型の模擬実験装置について,京都大学大学院工学研究科社会基盤工学専攻所有のマイクロフォーカスX線CT装置により,形成される断層帯の内部構造の撮影を行った.縦ずれ断層型を用いた実験結果では,基底断層延長部での亀裂およびそこから分岐する亀裂が形成される様子が確認できた.正断層では基底断層直上にも亀裂が形成され,基底断層での変位の増大に伴い,基底断層直上の亀裂が主に変位している様子が明らかになった.この傾向は既往の正断層の室内模擬実験結果と整合的であった.一方,逆断層では既往の室内模擬実験結果でみられた上盤側のバックスラストに相当する構造は確認できなかった.基底断層での変位がバックスラスト形成に至るまで達していなかった可能性がある.横ずれ断層型の実験 結果では,基底断層から表面に向かういわゆるフラワーストラクチャー状の亀裂が確認でき,その変位が増加している様子が捉えられた.内部構造を検討することにより,基底断層と表面に発生した亀裂・断層との関係を整理することができるため,副断層の知見を整理するにあたり,室内模擬実験装置のX線CT撮影は有効な手法であると思われる.小麦粉を用いた室内模擬実験では,基底断層で与える累積変位量を小さくしてX線CT撮影を行うことで,内部の亀裂進展を詳細に解明することができると期待される.

謝辞:本検討は令和4年度原子力施設等防災対策等委託費(断層変位評価に係る調査)事業によるものである.また,X線CT撮影を行っていただきました京都大学大学院工学研究科都市社会工学専攻土木施工システム工学分野 肥後陽介教授,京都大学大学院工学研究科社会基盤工学専攻地盤力学分野 木戸隆之祐助教に感謝致します.