3:45 PM - 4:00 PM
[S21-17] Self-Excited Detection Probability: Applications to Estimating Time-Variant b-Value Functions Immediately After Main Shocks
本震直後は地震活動が活発になるため、非常に多くの余震が発生する。特に、本震と同程度の比較的マグニチュードの大きな余震も多く観測されるため、 防災上の観点から“余震活動の特徴”を一早くデータから推測可能な手法を開発することが喫緊の課題となっている。これまでの地震学の見地から、余震活動の特徴は余震の発生頻度及びそのマグニチュードでおおよそ記述できることが分かっている。そのため、余震の発生頻度及びそのマグニチュードの確率分布をデータから推定すれば良い。しかし、実際のデータでは本震直後の余震活動が活発過ぎるため、地震計から正しく余震の数を計測することができず、余震の数が過小に計測されてしまう。特に、マグニチュードの小さな余震は見逃される傾向にある。本震直後にそのようなデータを用いて余震の頻度及びマグニチュードの分布を推定すると、偏りのある推測となってしまう。そこで余震の到達時刻及びそのマグニチュードに依存した余震の検出確率を導入し統計モデルに組み込むことで、余震数の過小評価によるバイアスを考慮した推測法の構築が可能となる。これまでにさまざまな分布形を事前に定めなる必要がないノンパラメトリックな余震検出確率が提案されている。
一方、地震学では余震の頻度分布の確率則として大森・宇津の法則が知られている。この確率則は大域的には概ね成立しているが、パラメトリックモデルであるため局所的な細かい確率則を表現するには不向きである。そのため、ETAS(Epidemic Type Aftershock Sequence)モデルでは,過去のイベント情報を利用した自己励起性のあるモデルを用いることで、頻度分布の確率則を局所的にも十分表現可能とした。本研究では余震の検出確率に対して、ETASモデルと同様に過去の余震データを利用した自己励起性のあるモデルを用いることで、パラメトリックモデルでも十分な表現力を持つ余震の検出確率を提案する。
さらに、余震検出確率がパラメトリックモデルであるため、本研究で推定された余震検出確率を用いることで本震直後におけるさまざまな複雑な事象をバイアスを補正しつつ解析することが容易に可能となる。例えば、本震直後におけるバイアスを補正しつつ、b値の時間変化をノンパラメトリックに推定することも可能となる。当日は、2004年新潟県中越地震や2016年熊本地震において、本震前後でb値がどのように変化したかを報告する。
一方、地震学では余震の頻度分布の確率則として大森・宇津の法則が知られている。この確率則は大域的には概ね成立しているが、パラメトリックモデルであるため局所的な細かい確率則を表現するには不向きである。そのため、ETAS(Epidemic Type Aftershock Sequence)モデルでは,過去のイベント情報を利用した自己励起性のあるモデルを用いることで、頻度分布の確率則を局所的にも十分表現可能とした。本研究では余震の検出確率に対して、ETASモデルと同様に過去の余震データを利用した自己励起性のあるモデルを用いることで、パラメトリックモデルでも十分な表現力を持つ余震の検出確率を提案する。
さらに、余震検出確率がパラメトリックモデルであるため、本研究で推定された余震検出確率を用いることで本震直後におけるさまざまな複雑な事象をバイアスを補正しつつ解析することが容易に可能となる。例えば、本震直後におけるバイアスを補正しつつ、b値の時間変化をノンパラメトリックに推定することも可能となる。当日は、2004年新潟県中越地震や2016年熊本地震において、本震前後でb値がどのように変化したかを報告する。