日本地震学会2023年度秋季大会

講演情報

ポスター会場(1日目)

特別セッション » S22. 能登半島北東部の群発地震とM6.5の地震

[S22P] PM-P

2023年10月31日(火) 17:00 〜 18:30 P4会場 (F205・6側フォワイエ) (アネックスホール)

[S22P-02] 非定常ETASモデルによる背景地震確率を考慮した能登半島の群発地震と潮汐との関係

*弘瀬 冬樹1、溜渕 功史1、小林 昭夫2、前田 憲二1 (1. 気象研究所 地震津波研究部、2. 気象庁 地震火山部)

石川県能登地方では,2018年中頃から活動の盛衰を繰り返す群発地震活動の様相を呈している.2020年末頃からは地殻変動(膨張・隆起)も観測され,地殻流体との関連が指摘されている.我々は,地殻流体に関連した群発地震活動と潮汐との相関を調査することが,群発地震活動の発生メカニズムの解明に繋がると考えている.地震活動の潮汐相関を調査する場合,他の要因の影響を減らすため,余震活動のような直前の地震により誘発された地震をあらかじめ除外(デクラスタ)しておく必要がある.本研究では,非定常ETASモデルによる背景地震確率で地震を重み付けするデクラスタ手法を用いて,能登半島における群発地震活動と潮汐との関係を調査した.その結果,潮汐相関が示唆されたのは解析領域南部の深部(領域Sd)のみであった.領域Sdでは,深部流体の流入に伴い間隙水圧が上昇し,岩石の破壊強度が低下することにより,潮汐力の影響を相対的に受けやすくなった可能性がある.G-R則のb値が領域Sdで顕著に大きいことや,地殻変動の観測結果も,この解釈と整合する.