日本地震学会2023年度秋季大会

講演情報

B会場

特別セッション » S23. 大正関東地震から100年:関東地方における地震研究の展開

[S23] AM-2

2023年10月31日(火) 11:00 〜 12:15 B会場 (F201)

座長:室谷 智子(国立科学博物館)、山下 幹也(産業技術総合研究所)

11:15 〜 11:30

[S23-06] 相模トラフ前縁断層先端部の構造的特徴

*山下 幹也1、三澤 文慶1、笠谷 貴史2、木下 正高3、三浦 誠一2 (1. 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター 地質情報研究部門、2. 国立研究開発法人 海洋研究開発機構、3. 東京大学地震研究所)

伊豆半島と三浦半島に囲まれ関東南部に位置する相模湾は,中央部の相模トラフがフィリピン海プレートの収束帯とされ,その運動に関連した活断層が東側を中心に発達し、西側では伊豆小笠原弧の火山フロントに沿った火山活動が活発な、複雑な場所である.1923年関東地震の震源域は相模湾を含む領域であり,沿岸域では津波も報告されているが,津波の波源域においてどの構造が大きな海底変動を起こした跡なのかは報告されていない.想定される津波の最大波高を予測するためには想定震源域の上限である,先端部は海底付近に達して海底面を変形させている前縁断層の同定が必要であり,今後のトラフ軸周辺の挙動を知る上では前縁断層からトラフ側まで含めた海底近傍の構造評価が重要である. 海洋研究開発機構ではこれまで稠密な測線に沿った反射法地震探査を相模湾周辺で実施してきたが,前縁断層の活動による海底面近傍における堆積層の変形については明らかになっていない.そこで本研究では新たに赤色立体地形図法を詳細な海底地形データに適用し,相模トラフから三重会合点周辺までの地形的特徴を抽出するとともに,既存の反射法地震探査データを用いて相模トラフに沿った断層先端部構造の特徴を明らかにする.