The 2024 SSJ Fall Meeting

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Room C

Regular session » S01. Theory and analysis method

[S01] AM-1

Wed. Oct 23, 2024 9:00 AM - 10:30 AM Room C (Medium-sized Conference room 302 (3F))

chairperson:Hiroshi TAKENAKA, Hironori Kawakata

9:15 AM - 9:30 AM

[S01-02] The behavior of elastic waves traveling through a heterogeneous medium (2) ~ To clarify its dependence on the strength of heterogeneity~

*Hironori KAWAKATA1 (1. Ritsumeikan University)

不均質媒質に対する弾性波の伝播特性は,不均質の空間的な分布,不均質の特徴的なサイズ,弾性波の波長,不均質の強さなどのさまざまな要素が複合的に絡み合って決まる.特に多孔質媒質における弾性波の伝播特性は,地表付近の地震波の振る舞いを検討する際などにおいて重要であるが,多孔質媒質などの強い不均質を持つ場合の弾性波の振る舞いについてはよくわかっていない.本研究は,実験室内で不均質媒質に対する弾性波透過試験を実施し,波動場の時空間発展の不均質強さによる違いを調べることを目標としてはじめられた.川方(2023, SSJ)は弱い(10 %程度以下)不均質媒質として,斑糲岩質試料から計測を開始させ,不均質サイズに対して同程度以下の波長をもつ短周期弾性波における粒子軌跡,波面の乱れを確認し,本手法の有効性を示した.今回は,強い不均質を持つ媒質として,人工的に空隙を埋設した単純な模擬媒質を作成し,この媒質に弾性波を透過させ,その振る舞いを調べることとした.
模擬媒質は直径107 mm,高さ50 mmの円柱形のセメントモルタルとし,媒質中に両端面から17 mmに中心が来るように直径8 mmの中空のPP球を埋設した.各面においてPP球は中心から25 mm程度の位置に約45度間隔で8個をほぼ円周状に配置し,中心のものと合わせて9個を配置した(図).また,2つのPP球を配置した面では互いにPP球の位置は端面から見て約22.5度ずれるように配置した.弾性波計測は川方(2023, SSJ)と同様に,正確な波動を計測するために、Nishizawa et al. (1997, BSSA)などによって提案されているレーザードップラー速度計(LDV)を採用した.片方の端面の中央に送信用の厚み振動型圧電振動子を貼り付けて,繰り返し電圧パルスを印加することで弾性波を繰り返し放射させた.LDVは直交する3方向で受信することとし,3成分波形として取り扱う.波形は4 MHzのアンチエイリアス=フィルターを通したのちに10 Mspsで収録された.等位相面の時空間的発展や粒子軌跡,コーダ特性などの周波数依存性について報告する.

謝辞:本研究はJSPS科研費JP22H01336,文部科学省による「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画(第3次)」の支援を受けた.