The 2024 SSJ Fall Meeting

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Room B

Regular session » S09. Statistical seismology and underlying physical processes

[S09] PM-1

Tue. Oct 22, 2024 1:30 PM - 3:00 PM Room B (Medium-sized Conference room 301 (3F))

chairperson:Yuta Mitsui(Faculty of Science, Shizuoka University), Takao Kumazawa(Institute of Statistical Mathematics)

2:00 PM - 2:15 PM

[S09-25] Inverse analysis of non-uniform seismic data by ETAS model

*Yosihiko OGATA1 (1. The Institute of Statistical Mathematics)

地震カタログデータが豊富になるにつれて、地震発生パターンの地域性や不均質性が顕著になり、それらを検出することが難しくなっている。特に大地震発生直後や活発な群発活動の地震データは非常に不完全である。例えば大・中地震が発生すると、後続地震のうち最大のものは、直後に発生する可能性が高い。

したがって、下限マグニチュードを出来るだけ低くとって地震の直後に予想される余震の規模分布と頻度分布を正確に予測することは、地震発生の物理的要因の解明や緊急時のリスク軽減にとって重要である。したがって、地震活動モデルのパラメータを決定する際には、カタログの不完全性という問題に適切に対処する必要がある.

そのため、地震の検出率モデルや定常・非定常ETASモデルなどの高次元の多パラメータモデルの逆問題を解くベイズ手法の助けを借りなければ、地震活動探求を極めることは難しい。例えば、余震活動や群発地震活動は、静的トリガーのみならず動的トリガーによって引き起こされる例が多い。大地震の直後や群発地震には、流体の貫入によってETASモデルのバックグラウンド率が急激に上昇したり、ゆっくりしたすべりと同調したりすることがある。このような量的変化の逆問題を高い精度で捉えるためには、大地震直後や活発な群発活動中のカタログ欠損率のモデル化を検討することが有効である。

本手法のポイントは、

(1) 地震データの検出率(欠測率)の時間変化を明らかにすること、

(2) ETASモデルについては、欠測地震を補完する発生率を偏りなく推定すること、

(3) 本震・余震活動中の群発型成分の有無を確認し、流体間隙水圧やスロースリップの関与の定量的な時間変化を可視化することである.

キーワード: ・Gutenberg-Richterマグニチュード分布、・地震マグニチュードの検出率モデル、・定常および非定常ETASモデル、・平滑化制約のベイズモデル、・赤池ベイズ情報量基準(ABIC)