The 2024 SSJ Fall Meeting

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Poster session (Oct. 21st)

Regular session » S09. Statistical seismology and underlying physical processes

[S09P] PM-P

Mon. Oct 21, 2024 5:15 PM - 6:45 PM Room P (Main Hall (2F))

[S09P-20] Magnitude Dependency of ETAS Parameters

*Daichi Ishikawa1, Naofumi Aso1 (1. Tokyo University of Science)

ETASモデルは、すべての地震が過去に発生した地震によるトリガリングと定常的な背景地震活動で説明できるという考えに基づいたモデルである。ETASモデルは、様々な地震系列に適用可能であり、地震活動予測にも用いられている。本研究では、本来はマグニチュード依存性を持たないとされているETASパラメータが本当にマグニチュード依存しないかに着目し、実データをもとに検証した。具体的には、下限マグニチュードを変えていくことでETASパラメータがどのように変動するかを調べた。

2024年1月1日にマグニチュード7.6の地震が発生した能登半島付近に着目し、最新の気象庁カタログが利用可能な2022年を解析した。この年には、6月19日にマグニチュード5.4の地震が発生している。このデータについて、粒子群最適化法と内点法を用いて、ETAS推定を行った。解析対象とする下限マグニチュードを1.7から2.7まで0.1刻みで大きくしていき、ETASパラメータの変化を調べた。

唯一、下限マグニチュードに依存して良いパラメータである、背景地震活動度を表すパラメータμは、下限マグニチュードを大きくすると小さくなり、その様子はマグニチュード頻度分布を表すb値に依存していると考えられる。下限マグニチュードを大きくしていくと、余震発生率のマグニチュード依存性を表すパラメータαは大きくなり、マグニチュードが大きな地震ほど顕著に余震を生み出しやすいことが示唆される。また、余震の時間減衰を表すパラメータpは、下限マグニチュードが2.2以下では、ほぼ一定の値をとったが、2.2より大きくなるにつれて値が大きくなった。余震発生数を表すパラメータKは、下限マグニチュードが2.2以下では、ほぼ一定の値をとったが、下限マグニチュードが2.2より大きくなるにつれて値が小さくなった。最後の2点については、大きな地震の後は検出能力が低下しているためだと考えられる。