日本地震学会2024年度秋季大会

講演情報

ポスター会場(2日目)

一般セッション » S14. 地震予知・予測

[S14P] PM-P

2024年10月22日(火) 17:15 〜 18:45 ポスター会場 (2階メインホール)

[S14P-01] 南海トラフにおけるプレート固着・すべり予測システムのプロトタイプ構築

*堀 高峰1、中田 令子1,2、飯沼 卓史1、日吉 善久1、兵藤 守3、佐藤 大祐1 (1. 国立研究開発法人海洋研究開発機構、2. 東京大学、3. 高知地方気象台)

我々は、沈み込み帯におけるプレート境界でのすべりの時空間変化を予測するためのプロトタイプシステムを構築している。日々観測される海陸の地殻変動データとの整合性を、あらかじめ用意したプレート境界でのすべりの時空間変化のシミュレーション結果のデータベースと比較し、整合性の高さを定量的に評価して結果を示すものとなっている。具体的には、南海トラフを対象とし、データとしてはGEONETの日々の座標値(F5解)とDONET水圧計の1日平均値を用いる。シミュレーションのデータベースは、現状では、速度状態依存摩擦則を仮定し、半無限均質弾性体中の3次元的な形状を考慮したプレート境界面でのすべりの時空間変化を計算した地震発生サイクルシミュレーションの結果を用いている。現在は359シナリオあり、今後、摩擦パラメータの与え方だけでなく、プレート境界形状の異なるモデルでのシミュレーション結果を加えていきたいと考えている。なお、このシステムは、シミュレーションから計算される地殻変動と観測データとを比較できる限り、シミュレーションに用いるモデルには制限が特にないので、現実的な地下構造や異なる摩擦則を導入したシミュレーション結果や、別の手法でデータ同化した結果を加えることも可能な柔軟性の高いものである。