[S14P-03] Development of a 6U CubeSat PRELUDE for elucidating the mechanism of ionospheric seismic precursor phenomena
我々は科学論文から報告された多数の電離圏先行現象を慎重に調査し(Kamogawa, Eos, 2005など)、夜間電離圏VLF帯電波強度減少現象(Nemec et al., GRL, 2008; Nemec et al., JGR, 2009; Pisa et al., JGR, 2013)が地震先行現象として極めて有望であり、統計的にも有意であるとの結論に達した(鴨川ら, 地震学会秋季大会講演より, 2024)。この成果は、フランスCNESによる地震先行現象検知衛星DEMETERの2004-2010年の運用で得られた結果であり、夜間時に地震発生4時間前かつ震央距離550 kmのM4.8以上の地震に対してVLF帯電磁波強度の電場成分が数dB減るというものである(Nemec et al., GRL, 2008)。これらは、300弱の対象地震に対して、2割程度の地震に先行現象がみられたという統計的評価された成果であり(鴨川ら, 2024)、再現率の観点からも最も有望な地震先行電離圏変動の現象といえる。同様な視点でDEMETER衛星以外でも、大規模地震が発生する可能性が高い米国,中東,欧州など数多くの諸外国が同種の衛星を計画した。特に中国地震局は2018年に中国地震電磁観測衛星群(CSES)の1号機を2018年に打ち上げて現在も運用中である。夜間VLF帯電波強度減少現象の物理的メカニズムは、対流圏の雷放電起源の電磁波を調べることで高度80 km程度のD領域の電子密度増加が原因であることが分かった(鴨川ら, 2024)。換言すれば、全球で発生する地震に起因する電離圏D領域の変動に関連していることが予想された。そこで、電離圏異常と地震との因果関係ないしは相関関係の定量的な評価のために、VLF帯電波の観測に特化した超小型観測衛星(CubeSat)を開発し、観測データの詳細解析を行うことで電離圏地震先行現象の発生機構解明を目指す。先行研究のDEMETER衛星では部分的にしか得られていないハイサンプリングVLF帯電波波形データを解析対象地震全てに対し取得、雷放電起源VLF帯電波を信号源とした下部電離圏(D領域)観測を行う。特に、地震発生前の4時間以内の電場値をハイサンプリングで測定(VLF帯電波波形観測)する。さらにハイサンプリングの取得データを用いると、将来的には予知率・適中率向上のための現象判別技術が格段に向上することが見込まれる。本衛星はPRELUDEといい、6Uサイズ(30cm×20cm×10cm)のCubeSatである。開発された衛星はJAXA(宇宙航空研究開発機構)の革新的衛星技術実証プログラム4号機として,2025年度に打ち上げる予定である。本講演では、打ち上げに用いるフライトモデルの開発状況などもお伝えする。