The 2024 SSJ Fall Meeting

Presentation information

Room D

Regular session » S18. Education and history of seismology

[S18] AM-1

Mon. Oct 21, 2024 9:00 AM - 10:15 AM Room D (Medium-sized Conference room 201 (2F))

chairperson:Noa Mitsui(Nagoya University), Yusuke Inoue

9:00 AM - 9:15 AM

[S18-01] Significance of holding the event: 2024 summer school for school teachers at devastated areas by earthquakes in Osaka

*Hiroo NEMOTO1, Ken’ichi ARAI2, Shouichi IKEDA3, Yasuyuki KANO4, Osamu KUWANO5, Akiko SATOH6, Yasuharu SYURI7, Makoto YAMANO8, Masashige MINAMISHIMA9, Naoko KITADA10 (1. Ritsumeikan Univ., 2. Sakae Higashi UPR Sec. Sch., 3. Former public P Sch. teacher, 4. ERI, 5. JAMSTEC, 6. Goryougadai branch Sch. of Kaname LWR Sec. Sch., 7. Rakusei Sec. Sch., 8. AORI, 9. Ryogoku Sec. Sch., 10. GRI)

1.はじめに
 学校教育委員会は1996年度から教員サマースクール(以降,教員SSと略記)を毎年度開催してきている.COVID-19のため2020・2021と2年間中断したものの,2022年度から対面開催を再開し[根本・他(2022),根本・他(2023)],2024年度も対面で開催した.

2.2024教員SSの概要
 第27回教員SSの概要は以下の通りである.
開催地:大阪市(オプショナルツアーは淡路島ほか)
日程:2024年8月21日(水)~ 22日(木)(~23日(金)(オプショナルツアー))
タイトル:平成7年(1995年)兵庫県南部地震による災害のその後と今後の大地震への備え in Osaka
目的:平成7年(1995年)兵庫県南部地震(以降,神戸地震と略記)により地盤が沈降しコンクリート護岸が失われたことによって生じた干潟等の観察,1854年6月14日,同年11月4・5日と立て続けに発生した大地震による被害を後生へ伝えるために建立された大地震両川口津浪記碑の見学などを通して,過去からの教訓,近い将来の発生が懸念されている南海トラフ地震での強震動による影響や津波襲来に思いを馳せ,あわせて大阪低地での高潮による影響との比較を通して,大阪低地での暮らしのあり方を考える.さらに,上町断層による地形の観察を通して,内陸型地震による都市域での被害や備えについても考え,湧水などの恵みと合わせ,防災・減災に対する意識を高める.
講師(敬称略):北田奈緒子,藤江 徹(あおぞら財団)

3.2024教員SSの内容
 2024教員SSでの観察ポイントを以下に示す.
初日:
 津波・高潮ステーション展示棟・防災棟(過去の津波・高潮被害,大阪市域の地形等の学習)
 尻無川水門(試運転)(津波,高潮への備えの様子を見学)
 大地震両川口津浪記碑(過去の教訓からの学びと風化防止の考察)
 上町断層フィールドトリップ(上町台地と大阪低地との境の地形および湧水の観察)
二日目:
 矢倉緑地公園(神戸地震による震災遺構の観察)
(荒天時は,あおぞら財団ビル会議室にて講義受講.)
 あべのハルカスバックヤード(耐震工学最前線の見学)
 なお,雨天時等でのコース変更は,初日は雨天決行,二日目は矢倉緑地公園訪問の代わりに,あおぞら財団ピル会議室にて矢倉緑地公園の震災遺構に関する講義を受ける計画とした.

4.参加者の内訳
 交通の便が良い地での開催だったためか,定員20名に対して参加申込者数は21名と定員超過となった.内訳は次の通りであった.
 小学校教員1名
 中学校教員1名
 高等学校教員10名(元職3名を含む)
 中学高等学校,中等教育学校教員5名(元職1名を含む)
 大学教員1名
 教育委員会1名
 学部学生1名
 大学院生1名
 地元(大阪府)の教員7名を含め各地から参加者が集まった.近畿圏からの参加者が10名と約半数であった.勤務校(元を含む)・在籍校がある都道府県名を北から順に並べると,埼玉,東京,千葉,神奈川,石川,滋賀,京都,大阪,香川であり,首都圏からの参加者が9名であった.

5.教員SS開催の意義と今後の開催時期
 準備段階では,初日に講師を務める北田氏と下見を行った.その結果,行程案の見直しを行うこととなったことから,今年度も下見の重要性が確認できた.例年との違いとして,貸切バスを用いた移動を無くし,公共交通機関での移動を試みたことが挙げられる.しかし,最寄りの駅やバス停から遠いポイント(矢倉緑地公園)もあったことから,本ポイントから駅へ向かうルートではタクシー使用を取り入れた.これは,行きと同じ道を再度歩くことの無駄を省くことと合わせ,猛暑への対策を行ったことによる.
 猛暑への対策として,2023年度に2024年度の開催時期見直し検討を行った.過去の参加者へ開催時期に関するアンケート調査を行い,その回答から夏期希望が一番多かったため,今年度も夏期開催とした.しかしながら,猛暑を考えると,開催時期に関して再検討が必要かもしれない.
 オプショナルツアーに関すること,南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)発令を受けての対応,反省点や改善案等は発表にて報告する.

謝辞
 津波・高潮ステーションの皆様,矢倉緑地公園での案内(荒天時には講義)をしてくださったあおぞら財団の藤江 徹 様,会場提供でお世話になったあおぞら財団の谷内久美子 様,矢倉緑地公園タクシー乗り入れに理解を示していただき,水門試運転見学の対応をしてくださった大阪府西大阪治水事務所の皆様,あべのハルカス見学にてお世話になった関係者の皆様,以上の皆様からご助力をいただきました.ここに記して深謝します.

参考文献
根本泰雄・他,2022,SSJ2022秋季大会,S18-03.
根本泰雄・他,2023,SSJ2023秋季大会,S18-06.