11:30 〜 11:45
[S22-04] 2024年能登半島地震発生前の地震活動のNatural time解析
1.はじめに
Natural time解析は,地震の発生間隔は一定と仮定し,地震の発生する順番に着目した手法でVarotsos et al. (2011) によって提案された.彼らはN個の連続発生する地震のk番目の地震に対して,χk = k / Nを定義し,χkをNatural timeと呼んだ.そして, Varotsos et al. (2011) やSarlis et al. (2013)で定義されるκ1は震源域が臨界状態かどうかを示す指標であると考え,κ1の時間変化を計算した.いくつかの大地震を解析した結果,κ1 = 0.070 に近づくと数日から1週間で本震が発生すると主張している.さらにSarlis et al. (2013)はκ1の平均値μと標準偏差σの比,変動係数β=σ/μを用いると,日本付近で発生したM7.6以上の地震の直前にβ値が最小になると主張している.そこで本研究ではSarlis et al. (2013) の手法を2024年能登半島地震 (M7.6) 発生前の地震活動に適用し,彼らが主張するような現象が見られるか検証した.
2.データと解析
研究領域は,36°-39°N,135°-139°Eの能登半島付近である.2021年1月1日から2023年12月31日までに研究領域で発生したM2.0以上,深さ30 km以浅の地震を気象庁一元化震源カタログから選択した.余震や群発地震を取り除くためのデクラスタリング処理は行っていない.解析手法はSarlis et al. (2013)に従ってβ値の時間変化を計算した.
3.結果
W=300の場合,2023年12月29日にβ値が最小値0.454を示した.M7.6が発生する約2日前である.この結果は,Sarlis et al. (2013)の主張と調和的であるように見える.また,β値は0.45から1.35の間を変動しているが,2022年4月5日にβ=0.552,2022年12月15日にβ=0.469の極小値を取っている.2022年4月5日の約2か月後にM5.4,2022年12月15日の約5か月後にM6.5の地震がそれぞれ発生している.
Varotsos et al. (2011) Natural time analysis of critical phenomena. Proc Natl Acad Sci USA 108(28), 11361–11364.
Sarlis et al. (2013) Minimum of the order parameter fluctuations of seismicity before major earthquakes in Japan, Proc Natl Acad Sci USA 110(34), 13734-13738.
Natural time解析は,地震の発生間隔は一定と仮定し,地震の発生する順番に着目した手法でVarotsos et al. (2011) によって提案された.彼らはN個の連続発生する地震のk番目の地震に対して,χk = k / Nを定義し,χkをNatural timeと呼んだ.そして, Varotsos et al. (2011) やSarlis et al. (2013)で定義されるκ1は震源域が臨界状態かどうかを示す指標であると考え,κ1の時間変化を計算した.いくつかの大地震を解析した結果,κ1 = 0.070 に近づくと数日から1週間で本震が発生すると主張している.さらにSarlis et al. (2013)はκ1の平均値μと標準偏差σの比,変動係数β=σ/μを用いると,日本付近で発生したM7.6以上の地震の直前にβ値が最小になると主張している.そこで本研究ではSarlis et al. (2013) の手法を2024年能登半島地震 (M7.6) 発生前の地震活動に適用し,彼らが主張するような現象が見られるか検証した.
2.データと解析
研究領域は,36°-39°N,135°-139°Eの能登半島付近である.2021年1月1日から2023年12月31日までに研究領域で発生したM2.0以上,深さ30 km以浅の地震を気象庁一元化震源カタログから選択した.余震や群発地震を取り除くためのデクラスタリング処理は行っていない.解析手法はSarlis et al. (2013)に従ってβ値の時間変化を計算した.
3.結果
W=300の場合,2023年12月29日にβ値が最小値0.454を示した.M7.6が発生する約2日前である.この結果は,Sarlis et al. (2013)の主張と調和的であるように見える.また,β値は0.45から1.35の間を変動しているが,2022年4月5日にβ=0.552,2022年12月15日にβ=0.469の極小値を取っている.2022年4月5日の約2か月後にM5.4,2022年12月15日の約5か月後にM6.5の地震がそれぞれ発生している.
Varotsos et al. (2011) Natural time analysis of critical phenomena. Proc Natl Acad Sci USA 108(28), 11361–11364.
Sarlis et al. (2013) Minimum of the order parameter fluctuations of seismicity before major earthquakes in Japan, Proc Natl Acad Sci USA 110(34), 13734-13738.