Japan Association for Medical Informatics

[2-B-3-OP12-5] 岐阜大学病院における電子カルテ機能の強化及びWEB化への対応とその成果について

青木 光広1, 井畑 稚香2, 藤原 琢也2, 青木 英悟2, 佐藤 俊介2, 難波 孝宏2, 三浦 亜耶乃2, 山下 龍士2, 矢野 弘章2, 紀ノ定 保臣1 (1.岐阜大学大学院 医療情報学, 2.岐阜大学病院 医療情報部)

かかりつけ医やかかりつけ薬局制度が推奨されて中、急性期病院側からの効率的な診療情報提供や情報の共有が重要な役割を果たしつつある。そこで、当院では2016年1月から運用を開始した第3期システム(SystemGifu_3G)において電子カルテのWEB化(WEBカルテ)に注力した。担当医宅からのリモート接続による診療情報の閲覧、連携医療機関間での情報共有と院外薬局への診療情報の公開を可能とした。SystemGifu_3Gの構築に際して、仮想クラウド化技術を導入するとともに、セキュリティの強化を目的とした4階層のエリア別ネットワークシステムを構築した。特に、WEBカルテの運用に際しては、インターネットを介した外部施設との接続をエリア1内でのみ可能とし、必ずエリア2に設けたWebカルテ用DBを介して、電子カルテDBが置かれているエリア4と通信を行うこととする厳密な運用とした。また、WEBカルテ用にクライアント証明書を発行し、クライアント認証を行ったPCのみ接続可能とし、岐阜大学病院情報ネットワーク(VPN)接続の認証、Webカルテシステム認証、最後に乱数表による認証の3回認証処理によりセキュリティを担保した。すべての文書等は真正性を担保するため、院内に設置した認証局で電子署名ならびにタイムスタンプを付与している。診療情報の公開範囲は院外連携医師、院内医師にはほぼ全てとし、院外薬局には必要最低限の項目とした。患者自身への公開も可能としたが、現時点ではネットワーク上での公開は実施していない。現時点で院外ユーザーが85名、同意患者35名と利用頻度は増加傾向であるが限定的である。オンラインでの連携医療機関との情報提供の送受信にはHPKI認証局の電子署名が必要とされており、当院認証局機能に加え、さらにHPKIによる電子署名を活用したオンラインでの診療情報提供システムを構築中である。本発表では、SystemGifu_3Gの機能強化と現状、及びその成果について報告する。