Japan Association for Medical Informatics

[2-E-3-OP15-3] EDCシステムを利用したデータベース駆動型医学研究について

高田 敦史1, 山下 貴範1, 原田 慶一1, 若田 好史1, 安徳 恭彰2, 中島 直樹1 (1.九州大学病院 メディカル・インフォメーションセンター, 2.大分大学医学部附属病院 医療情報部)

【目的】
日々の診療から得られる医療情報を二次利用することは、データベース駆動型医学研究(DDMS)の一つであり、医療情報の有効な利活用である。当院では臨床観察研究支援事業(Clinical Observation Study Support System:COS3)の一環として、各種のDDMSを進めている。それら多岐に渡る研究を管理する手段の一つとしてMCDRSなどを導入し活用してきたので、その有用性を評価する。
【方法】
MCDRSは、病院情報システム(HIS)とデータを同期しているSS-MIX2に接続する形で構築されている。当院においては、日本糖尿病学会による包括的糖尿病DB(J-DREAMS)、日本循環器学会による心カテ症例DB(J-IMPACT)、日本腎臓学会による慢性腎臓病の包括的DB(J-CKD-DB)の疾患コホートDBをそれぞれ管理している。共通の項目はSS-MIX2標準化ストレージを活用し、その他の項目は、HISのテンプレートや部門システムからのデータをSS-MIX2拡張ストレージへ格納している。
【結果】
J-DREAMSにおいては、HISのテンプレート入力を併用しているプロジェクトであり、2014年~2017年で712例、J-CKD-DBは、2014年の検査条件による抽出で1万4千例ほどの実績がある。J-IMPACTは項目を整理しており、間もなく収集する段階である。また、運用上、施設間における標準コードのミスマッピングや、事業事務局と参加施設の連携が課題としてあげられた。
【考察】
長期間の観察が必要な研究を、SS-MIX2を利用することで、比較的単時間で軌道にのせることができた。また新たなDB事業が計画されているが、SS-MIX2活用のためにその品質管理やガバナンスが、これからの臨床研究の発展には重要であると考えられる。