Japan Association for Medical Informatics

[2-G-2-OP7-4] 看護情報を二次利用するための継続教育システムの開発

小村 晃子1, 石垣 恭子1, 西海 英子1, 髙見 美樹2, 竹村 匡正1, 岡崎 美智子3, 宇都 由美子4 (1.兵庫県立大学 応用情報科学研究科, 2.園田学園女子大学 人間健康学部, 3.国際医療福祉大学 保健医療学部, 4.鹿児島大学 医歯学域医学系)

世界に先駆けて進展する高齢化現象と、これに伴う国民医療費の急激な増大は、困窮する我が国の財政を更に圧迫すると予測される。この対策として政府が導入したDPC制度は、臨床看護に煩雑かつ膨大な業務を課し、それによる看護の質の低下を齎した。一方で、看護の質の向上、新たなEBN創出に不可欠な統計学的能力には、指導者層を含む臨床看護師全体に亘る遍在性が浮上した。これまで、臨床看護師の研究障害事項の報告は多くあるが、研究指導者の困難事項抽出やそのプロセス評価は見当たらない。
 本研究では、現在・将来の研究指導者に対するニーズ抽出から、指導のための教育プログラムを提案することを目的とした。
 高等教育機関で研究に関する特殊な教育を受けていない、現在又は将来指導者となる臨床看護師を対象とし、質問票自己記載結果の割合を比較検討する記述統計を行った。
 現在、臨床看護師105名に調査を実施し、有効回答100件が得られた。この結果、3年制養成校卒業者は「看護研究の肯定感」が有意に低値、また卒後継続教育を受講した者は「看護研究の否定感」が有意に低値、「指導に必要な知識」では、専修学校等を卒業した者は全ての項目が高値であった一方、短期・4年制大学卒業者は「発表技術」「テーマ変換」が高値、「文献検索」は低値であった。
 現在又は将来看護研究指導者となる臨床看護師は、養成校での履修状況や卒後継続教育の有無によって、看護研究に対する認識に差が生じる。また、養成校や卒後継続教育での履修時間や内容の差異により、指導の為に必要な知識や技術にばらつきがみられる可能性がある。
 看護研究指導者の教育には、項目別に完結しつつも全体として繋がりのある結合ブロック型教材の必要性が示唆された。今後、更なるサンプルの収集によって、より的確な課題抽出を目指し、看護研究指導者への充実した教育プログラムの提案を行う。