Japan Association for Medical Informatics

[2-J-2-OP9-7] 医療費自動支払機を利用したアンケート機能の試行

佐藤 法昭 (JA北海道厚生連帯広厚生病院)

当院で導入している医療費自動支払機(以降「支払機」とする)へパッケージ標準にはない「アンケート機能」をメーカーと共同し新規開発し実装した.機能検証の題材として職員接遇をテーマとした患者満足度調査を行うこととし2016年12月の1ヵ月間において実際の運用の中で試行を行った.支払機へはアンケートへ協力するか否かの選択画面が表示されたのち,最大5問までの設問と選択肢(4つまで)が順番に表示され,回答を選択することで次の設問に遷移する.回答された内容は管理端末側に日時と共に蓄積され事後で集計する為の元データとなる.従来の紙でのアンケート機能では見た目の雰囲気が優しそうな方や時間に余裕のありそうな方など,配布担当者の個人的主観により比較的協力をいただけそうな方が選定される実態があったが,支払機では全患者へアンケート画面を表示し患者自らが回答可否を選択することで対象を限定することがなくなった.また,回答結果がデータとして蓄積される為,入力する手間がなくなり集計や分析に時間を費やせる点に関しては作業における負担が軽減された.試行時の課題に対しては,再度メーカーへ要請しアンケート機能の改修により設問文字の拡大や回答選択肢の増加,表示の変更を予定している.また回答率を上げる施策としては,事前周知や調査期間を増やしたり,今後院内テナントと協議しアンケート回答者に対して支払終了後に出力される領収書に印字された回答の証をもって付加サービスを提供するなど,回答を促す施策を検討している.今回の試行において,当院ではこれまで紙で行うことが当たり前であった患者アンケートに関し,システム面での支援により新たな方法としての機能提供を行うことができた.今後も試行と改善を繰り返しながら来院者からの声を拾い上げるツールの一つとして活用して参りたい.