Japan Association for Medical Informatics

[2-L-2-PP4-4] 電子カルテ更新1年後アンケート調査

安達 将司1, 三宅 秀敏1, 下村 剛1, 安徳 恭彰1, 後藤 芳美1, 園田 浩富1, 甲斐 修1, 渡邊 翔太1, 坂本 雅義2, 内山 顕三郎2, 中村 剛直3, 古賀 啓一3, 間宮 裕子3 (1.大分大学医学部附属病院医療情報部, 2.日本電気株式会社, 3.NECソリューションイノベータ株式会社)

1.背景
大分大学医学部附属病院では2016年1月に電子カルテのシステム更新を行った.
文書作成を始め,いくつかの機能が新システムへ変わった影響もあり,更新当初から多くの問題を抱え逐次改善を行ってきた.1年を経てひと段落したので,課題や改善要望,機能の不明点を再確認しシステム利便性向上の参考にアンケートを実施した.
2.方法
設問は①システムごとの満足度(5段階評価で5が最良),②新機能,機能強化・便利機能ごとの利用状況調査(「便利」「普通」「不便」「使ったことがない」の4種の選択肢),③フリーコメントとし,各診療科から2名以上の回答を依頼した.回答期間は2月7日~17日とした.
3.結果
84名の職員(医師38名,看護師29名,その他17名)から回答を得た.
①満足度について,更新後の電子カルテシステムは4(35.8%)が最多であり,更新前との比較では3(46.2%)が最多であった.文書作成システムは3(34.7%)が最多であり,更新前との比較では3と4が同率(28.4%)であった.
②利用状況調査では,「便利」が60%を超える機能がある一方で,「利用したことがない」が約80%となる機能もあった.
フリーコメントには多様な意見が寄せられたが,機能,対応方針により区分けができた.
4.考察
満足度の割合を見ると更新前後で大きな変化は見られなかったが,医師はオーダ・文書作成は更新前の方が良いという意見が多く,看護師は実施入力等の機能改善要望が多い等,職種による意見の特徴が見られた.新機能,機能強化・便利機能は知られていないことが判明した.
5.結語
新機能,機能強化・便利機能はより周知努力が必要である.満足度については満足・不満のどちらでもないという意見が多い.不満はすぐに連絡があるが,良くなったとの連絡があるのは稀であり,それらを汲み取り継続的な改善につなげるために,定期的なアンケートは有用である.