Japan Association for Medical Informatics

[3-F-1-OP16-4] JJ1017を用いた画像オーダー重複通知機能の開発と実装

青木 陽介1, 児玉 義憲2, 細田 恵3, 隈丸 加奈子4, 桑原 一也1, 藤本 陽平1, 須藤 博1, 榎本 達治1 (1.大船中央病院, 2.日本事務器株式会社, 3.アイウェイズコンサルティング株式会社, 4.順天堂大学)

【背景】特段の理由なく同じ検査を繰り返すことは過剰医療と指摘され,Choosing Wiselyキャンペーンが注目されるなど,国内外問わず問題とされている.医師が特別意識せずに重複検査を認識できるよう,重複検査の有無をJJ1017を用いて自動判別,通知する仕組みを開発,実装した.
【目的】本機能の運用状況を把握し,初期導入評価および本機能の有用性を報告する.
【システム概要】チェック対象は,外来患者の一般撮影,CT,MRI.重複の判断基準は,過去30日~予約検査(診療科・検査種により調整可能)を対象に,JJ1017の検査種コードと部位コードを利用して「同じ部位+同じ検査種」を検出する.重複と判断された場合,オーダー確定時に通知し,必要な検査であれば重複の理由の入力を求める(選択式).必要がなければ,理由を入力せずにオーダー登録をキャンセルすることも可能.
【方法】稼働開始(2017年5月)後1ヶ月間のログより,①本機能の稼働回数およびオーダー件数,②重複通知表示時にキャンセルを選択したオーダー件数,③②のうちキャンセル操作後,再度オーダー登録操作を展開し,最終的にオーダーが発行されたオーダー数,④③の場合の重複実施の理由,について集計した.
【結果】①494回,328件.②49件.③24件.④多い順に「その他」「新しい重要な臨床的症状の発症」「院内プロトコール」「症状の悪化」.
【考察】JJ1017の検査種と部位の情報を利用することで,簡便に重複判定のロジックを組むことができた.本機能により,重複検査を医師に意識させ,不要な重複検査の抑制に一定の効果が認められたことから,本機能は有用と考えられる.キャンセル後に再度登録する行為が多いこと,重複の理由に「その他」が多いことは,運用上の問題と考える.今後,ユーザー評価などを含め,継続して評価を行う.