Japan Association for Medical Informatics

[3-H-3-OP20-4] SS-MIX2拡張ストレージの充実に向けた取り組み・・・日本循環器学会出力標準フォーマット(SEAMAT)について

中山 雅晴1, 竹花 一哉2, 興梠 貴英3, IHE-J 循環器 (1.東北大学, 2.関西医科大学, 3.自治医科大学)

厚生労働省電子的診療情報交換推進事業によって定められたStandardized Structured Medical Information eXchange(SS-MIX)ストレージ形式および2版となるSS-MIX2は現在普及が進み、2016年度末で全国630施設に導入されている。それらは、災害時用バックアップや地域医療連携、またデータ活用を目的とした多くの事業に用いられている。SS-MIX2ストレージは標準化ストレージと拡張ストレージとに分けられ、前者には標準化対応の進んだ病名や採血検査値、処方などのデータが格納され、標準化コードも備わっている。一方、拡張ストレージにはそれ以外のデータが格納されるため、コード化やデータ形式の標準化が不十分であり、データの2次利用は困難な状況となっている。心不全や心筋梗塞といった疾患を扱う循環器分野においては、心電図や心臓超音波、心臓カテーテル検査といった複数のモダリティが重要であり、診断や病態評価、また臨床研究をする上でも必須の検査項目である。しかしながら、SS-MIX2上では拡張ストレージに保存されるため、これらのデータを活用するために必要な標準項目名や単位、形式などを決定する必要があった。そこで、IHE-J循環器を中心とした有志は日本循環器学会に働きかけ、標準化へ向けた取り組みについて理事会の承認を得た。結果、2015年度にSS-MIX2拡張ストレージへデータを出力するための標準フォーマットStandard Export datA forMAT(SEAMAT)を公式に定めた。項目の策定にあたっては関連学会の協力を得て、多くの施設で共通する項目を中心に定めた。今後各企業よりSEAMATに対応した製品が商用化され、多くの循環器系臨床データの効率的な抽出が可能となる。これにより、臨床研究においてデータ転記が参加医師や研究補助員にとって大きな負荷となっていたが、その軽減およびより大規模で正確性のあるデータ収集が期待される。