Japan Association for Medical Informatics

[3-H-3-OP20-7] MID-NET事業におけるガバナンスの取り組み

朴 珍相1, 山下 貴範1, 高田 敦史1, 野尻 千夏2, 平山 ふみ3, 堀田 多恵子3, 康 東天3, 中島 直樹1 (1.九州大学病院 メディカル・インフォメーションセンター, 2.株式会社 ケア・フォー, 3.九州大学病院 検査部)

【はじめに】厚生労働省とPMDAが実施するMID-NET事業は、10拠点協力病院の標準化及び匿名化された診療データを統合解析することによる医薬品安全性評価を目的とする事業である。病院間のデータを相互比較や相加するためには標準コードの付与をガバナンスする必要がある。AMED事業(康東天班)では九州大学病院内にガバナンスセンターを試行設置し、各拠点の状況を調査した。

【方法】SS-MIX2連携用マッピング表を精査し、検体検査(JLAC10)は、MID-NET事業で優先の224項目が病院毎にどのようにマッピングされているかを調査した。MID-NET優先JLAC10は、測定法が不問の為、それを除く12桁のコードで紐づけた。医薬品については、標準コード(YJ、HOT)の病院毎の差異を比較した。

【結果】MID-NET優先JLAC10とマッピング表JLAC10の一致率は、A病院84.8%、B病院79.5%、C病院62.1%、D病院59.4%、E病院48.2%の順で示された。全てJLAC10に紐づかない検体検査は11件であった。医薬品標準コード付与率の平均は、処方と注射共に50%前後であった。尚、SS-MIX2からMID-NETシステムへ連携する際に2次元マッピングを行うことで当事業の品質は担保されている。

【考察】MID-NET優先JLAC10とマッピング表JLAC10の間は拠点間で大きな齟齬があることが明らかになった。その要因として、JLAC10の原則に従いながらもその解釈の違いにより、医療機関の間でコード付与のばらつきが示唆された。医薬品については、システム連携を含めたコード付与運用の課題が示唆された。当センターの目的は、各拠点で運用されているコードを一元的に管理することである。今後、SS-MIX2を用いた拠点間でコード付与が解離しない為のルール化や体制が必要である。