Japan Association for Medical Informatics

[3-I-1-OP17-2] 医療関係者および医療用ITシステム担当のSEを対象としたITスキル評価システム

藤井 晴比1, 永瀬 宏2, 黒田 尚宏3, 堀 有行3 (1.金沢工業大学 工学研究科 博士前期課程 システム設計工学専攻, 2.金沢工業大学 情報フロンティア学部, 3.金沢医科大学 医学教育学)

本研究では医療関係者と医療用ITシステムを開発するSEを対象にITスキルの把握、体系化させた補助システムの提案を行う。この際、IPA(情報処理推進機構)が策定したITスキル標準を参考に学生レベル(下位)、簡単な実務経験レベル(中位)、中核的な人材レベル(上位)の3段階で評価している。
本システムは評価対象の関係上、医療関係者向けの評価項目を新たに設ける必要がある。また、医療担当SEに関しても、システムを開発するための知識、技術の習得度が重要であるため、評価項目の見直しが必要である。
医療担当SEの評価項目は下位を「プログラムを記述できる」、中位を「見やすいプログラムの記述・リファクタリングができる」、上位を「開発方法論(MVC、アジャイル開発など)に基づいた開発ができる」とする。医療関係者の評価項目は下位を「CT、MRI、電子カルテなどの医療IT機器の使用方法・情報リテラシーや統計学の理解」、中位を「医療システム開発のケーススタディに対し、医師としてどのくらい関与できるか」、上位を「IT技術を用いた大規模な医療プロジェクトに携わった経験がある」とする。医療担当SEの評価方法は下位の基礎知識をMoodleで評価する。中位の評価に関してはプログラムコードをチェックする専門ツールも用いる。医療関係者の評価方法は下位の基礎知識はMoodleで評価する。中位は医療情報システムの開発事例を想定し、開発工程に疑似的に参加してもらうことでケーススタディによる評価を行う。事例の1つとして、VRを用いた臨床診断シミュレータを現在、設計中である。上位はどちらの評価対象でもヒアリングによる評価が妥当なため、開発プロジェクトの規模や概要などをアンケート形式とレポート形式によって評価する。
現在、本システムは医療担当SEの評価体系はほぼ完成しており、医療関係者の評価体系を作成中である。