Japan Association for Medical Informatics

[3-I-1-OP17-5] ARCSモデルを用いた認知症高齢者支援力育成教材の開発

桝田 聖子1, 村嶋 琴佳2, 真嶋 由貴恵2 (1.関西医療大学, 2.大阪府立大学)

【目的】近年、認知症高齢者が増加していることから、全ての世代が高齢社会の現状や認知症の人を含む高齢者への理解を深める必要がある。しかし、若い世代では、高齢者と接する機会が少なく、認知症高齢者への関心が持ちにくいと考える。そこで今回、小学生が興味・関心をもって楽しみながら認知症高齢者を正しく理解し、偏見なく対応できる力(認知症高齢者支援力)を育成できるよう、学習意欲をデザインするARCSモデルを使った教材を開発した。
【教材開発】
1)学習目標:認知症の基礎知識と対応が理解できる。
2)対象:H県K市A区にあるO地区で、ポスターによる募集に申し込みのあった小学生と保護者20名。
3)方法:使用方法を説明後、5人1組でタブレットを用いて学習した。
4)教材の内容:高齢者への肯定的なイメージをつけた後、認知症高齢者の理解ができるよう、「注意」、「関連性」、「自信」、「満足」について目標を設定した。「注意(Attention)」は、小学生が関心をもてるように、スライド教材とコミュニケーションロボットを使った。関心を持続するため、クイズの結果をクリッカーで即座に提示した。「関連性(Relevance)」は、小学生が認知症高齢者への理解を深め、対応できることで、全ての人が住みやすい地域になることが実感できるストーリーとした。「自信(Confidence)」は、認知症高齢者への対応方法を学び、「地域で認知症を疑う高齢者を見かけた場合、大人に伝えることができる」という自信をつけられるようにした。「満足感(Satisfaction)」は、学習前後に認知症高齢者の理解に関する質問を行い、参加者が認知症高齢者の理解が深まったと実感できるようにした。
【結果・考察】ARCSモデルを用いて、ストーリー性のあるスライド教材とコミュニケーションロボットを組み合わせて使うことは、小学生が興味・関心をもち、学習意欲を高めた結果、認知症高齢者への理解および対応方法を理解することができた可能性がある。