一般社団法人 日本医療情報学会

[3-L-1-PP6-3] SS-MIX2ストレージ上のデータ抽出プログラムの試作

乙竹 秀明1, 中村 直毅2, 中山 雅晴3 (1.東北大学医学部, 2.東北大学大学院 医学系研究科 情報基盤室, 3.東北大学大学院 医学系研究科 医学情報学分野)

【目的】

標準化された形式で診療情報を蓄積・共有するSS-MIX2(Standardized Structured Medical Information eXchange version.2)のストレージには、HL7(Health Level Seven)形式やXML形式からなるファイルが配置されている。SS-MIX2ストレージでは、診療情報がフォルダー構造の膨大なファイルから構成されており、SS-MIX2ストレージの中から必要な情報を簡単に抽出・検索することは容易でない。そこで、本稿では、SS-MIX2ストレージに蓄積されている膨大なファイルの中から、容易に診療情報を検索・抽出する仕組みの確立を目的とする。



【方法】

東北大学病院のSS-MIX2ストレージサーバに蓄積されたSS-MIX2形式の診療情報を対象とし、標準化ストレージ上のHL7ファイルから、情報を抽出するプログラムを試作する。さらに、ウェブアプリケーションとして情報を抽出するプログラムを実装し、多数のファイルの中から情報を検索・可視化するプログラムを試作する。



【結果・考察】

SS-MIX2ストレージ中のHL7ファイルの抽出し、任意の患者の情報を、JSON形式で情報を管理するプログラムを実装した。JSON形式でタグを付与して情報を管理し、検索や処理が容易に行うことができることを確認した。また、ウェブアプリケーション上で複数の患者の診療情報を可視化するプログラムを実装した。MMWINのSS-MIX2ストレージ上のテストデータを用いて実装したプログラムの正常性を確認するとともに、蓄積された情報を表形式で抽出・一覧表示をすることができ、診療情報を容易に確認することができることを確認した。



【まとめ】

本稿では、SS-MIX2ストレージ中のHL7ファイルからデータを抽出し、可視化するアプリケーションを試作し、正常に動作することを確認した。現在は、必要な情報をオンデマンドでSS-MIX2ストレージからデータを抽出するシステムとなっているが、抽出した情報をデータベース等に蓄積し、効率的に情報を抽出・可視化するシステムの実現が今後の課題である。