Japan Association for Medical Informatics

[3-L-3-PP10-2] 災害対処時のLAN臨時敷設による院内指揮所でのWebカメラ映像利用の試み

高橋 国人, 脇坂 仁 (防衛医科大学校)

災害等発生時における傷病者の受け入れに当たり、災害拠点病院として的確な災害医療を提供できるよう、防衛医大病医院では年1回の災害対処訓練を実施している。平成28年度訓練では、立川断層帯(東京都立川市、武蔵村山市ほか)を震源地とするM7.4・最大震度7の直下型地震発生を想定し12月2日に実施された。病院長や部門長らで構成される事態対処指揮所と現場の各処置ポスト(トリアージ、緑、黄、赤)の連絡体制は用意されるものの、刻一刻と変わる現場の様子を指揮所で映像によって捉えることのメリットは即時的情報共有の観点から大きいと予想される。そこで、指揮所−各ポスト間のLAN臨時敷設とWebカメラ映像の利用を試みたので報告する。各ポストにモバイルバッテーから電力供給したWebカメラを配置し、それらを無線または有線でLANに接続した。LANはルーター1台、無線AP1台、ノンインテリジェントHUB1台、100mケーブル1本、50mケーブル2本、1mケーブル1本で構成され、管理用・映像確認用PCは有線1台、無線1台を使用した。ルーター、無線AP、有線PCには商用電源を用いた。有線PCを指揮所の50インチ液晶ディスプレイにHDMI接続し、Webカメラによる映像を映した。訓練中の映像視認および各ポストの様子確認は概ね良好であった。しかし、LAN仮設簡便性とセキュリティ確保、電波干渉や人の位置による映像の途切れ、カメラ位置とLAN仮設自由度のバランス、セッティングに要する時間など課題が挙がった。次回訓練や実災害の際に備え、且つ、他院の参考となるよう、それら課題に対し可能な範囲で一般化した解決方を提案する。また、本件と同様の試みは平成27年度にも行っており、平成27、28年度訓練での各ポスト位置等実施内容の違いから幾つか知見を得たので提示する。加えて、将来的なIT機器等活用の可能性について言及する。