Japan Association for Medical Informatics

[3-L-5-PP14-4] 当院のオーダー時エラーチェックに関する検討

山下 佳子, 山下 暁士, 舩田 千秋, 小林 大介, 大山 慎太郎, 西村 紀美子, 朝田 委津子, 小久保 隆, 池田 武, 久保田 昌平, 山本 聖子, 井上 裕太, 佐藤 淳一, 白鳥 義宗, 小林 正幸 (名古屋大学医学部附属病院 メディカルITセンター)

【目的】オーダー時にエラーチェックを行うことは医療安全上重要な機能であるが、その効果を定量的に評価した報告は少ない。本研究の目的はログを解析することで、当院のエラーチェックがどのような現状となっているかを検討することである。
【方法】当院オーダリングシステムで、2016年4月から2017年3月まで当院で起動したオーダーツールの全メッセージを記録した。ログには診療科、オーダー種別、入外区分、オーダー開始/終了日時、チェックの種類(エラー/ワーニング)、最終結果(確定保存/キャンセル)、オーダー内容、メッセージ内容などが含まれている。
今回は処方・注射オーダーのログを解析し、全ツール起動に対するエラーチェックが起動した割合、入院と外来の割合、エラーとワーニングの割合、エラーチェックがかかったオーダーのキャンセルになった割合を検討した。
【結果】研究期間内に処方ツールが起動したのは289,379件、うちエラーチェックが起こった割合は16.8%(48,670件)であった。うち、外来は29,563件(60.7%)であった。チェックの種類がエラーであったものは41,998件(86.3%)、ワーニングであったものは9,859件(20.3%)。両者が発生したオーダーは3,187件(6.5%)であった。エラーチェックがかかったもののうち、キャンセルとなったのは3,087件(6.3%)であった。
研究期間内に注射ツールが起動したのは236,337件、うちエラーチェックが起こった割合は9.3%(21,883件)であった。うち、外来は3,650件(16.7%)であった。チェックの種類がエラーであったものは20,521件(93.8%)、ワーニングであったものは1,277件(5.8%)。両者が発生したオーダーは85件(0.3%)であった。エラーチェックがかかったもののうち、キャンセルとなったのは3,490件(15.9%)であった。
【考察】本研究の結果、エラーチェックは処方では外来で、注射では入院で多い傾向が見られた。キャンセルになった割合は注射オーダーの方が多かったが、これは注射オーダーの方が複雑性が高いからかもしれない。