Japan Association for Medical Informatics

[4-F-2-OP29-1] 医用画像検査における検像行為の現状と問題点

山本 剛1,3, 竹村 匡正3, 村川 圭三1, 植田 昂志2, 櫻井 理紗1, 上村 幸司1, 平松 治彦1 (1.国立循環器病研究センター, 2.大阪警察病院, 3.兵庫県立大学大学院 応用情報科学研究科)

【背景・目的】放射線検査における検査画像は、撮影後にそのまま検像システム等に送信されて、診療科の医師が閲覧できるわけではなく、診療放射線技師による画像の品質確認を行っている。その他にも、撮影が医師の指示通りの条件で行われ適切な画像が得られているか確認し、医師が診断しやすいように画像の構成や順序、明るさ・コントラストなどを調整なども行われている。これらの確認行為は「検像」と呼ばれており、診療放射線技師の重要な業務の一つである。一方で、昨今の画像診断装置の性能向上に伴い発生する膨大な画像データが発生し、これらの画像に対して診療放射線技師が、目視によって十分な検像を行うことは困難になりつつある。また、画像診断装置の高度化や多様化によって、検像業務そのものの高度化が求められている。そこで本研究では、これらの検像業務の高度化および効率化を目指して、機械的かつ自動的に画像を検像するシステムを開発することを検討するために、現在の検像業務および検像の現状について分析を行った。
【方法】当センターの放射線技師を対象に、検像のワークフロー及び確認項目についてアンケートを実施した。また、PACS画像削除履歴より、検像後の不適切な画像送信例を抽出し集計を行った。
【結果】当センターでは、検査機器から出力した全画像に対し検像を行い、部位、方向、範囲、患者の動き、アノテーションマークの貼り方等で検査の適切さを確認していた。また、インシデントとして検像をすり抜けて不適切な画像が診療利用されるケースが発生していた。月平均10件の検像ミスが発生しており、左右間違いやマークを誤挿入した画像がPACSに送られていた。
【まとめ】本研究では、検像時の確認項目及び問題点について整理ができた。また、検像のミスも発生しており大きな医療事故に繋がる可能性があり、今後は機械的かつ自動的に画像を検像するシステムが必要である。