一般社団法人 日本医療情報学会

[4-F-2-OP29-2] 可搬型医用画像媒体出力システムの構築とインシデントリスク低減効果の検証

秋田 裕介1, 小出 眞也1, 石川 和弥1, 荒井 章夫2, 木村 雅彦3, 加藤 光久1, 速水 昭雄4 (1.亀田総合病院 医療技術部画像診断室, 2.亀田総合病院 経営管理本部情報戦略部, 3.日本アイ・ビー・エム株式会社 ヘルスケアサービス医療営業部, 4.亀田総合病院 医療経営管理本部医療技術管理部)

【背景・目的】
当院では、可搬型医用画像媒体(以下、可搬媒体)の作成・運用を診療放射線技師が主体となり行っている。しかしその作成手順が煩雑な上、出力件数増加や作成者の入れ替え等により、複数件の重大なインシデントが発生した。関連部署で検討を行った結果、抜本的なシステム改善が必要と判断され、新システムを構築し2016年9月より運用を開始した。今回この新システムの構築とインシデントリスク低減効果を、従来法と比較・検証したので報告する。
【方法】
まず過去のインシデントのRCA分析を行い、従来法での問題点を抽出した。さらに出力ツール数社のデモを行い、PACSサーバとの互換性を検証した結果より、IBM社にて新規開発した出力ツールを基盤とし、市販ディスクデュプリケータ・DBソフトウェアを組み合わせたシステムを構築した。新システム稼働後1年の時点で従来法と比較し、インシデントリスクの低減効果を評価した。
【結果・考察】
 従来法のインシデントによるRCA分析から1媒体に複数患者のデータが入り得ることや、ラベル氏名と格納データの患者が異なる媒体が作成できるなどの危険性が確認できた。これらに対策を講じ、①格納データの患者情報や検査情報が記載されたリスト印刷、②『1患者1媒体』のための書き込み~ラベル印刷の自動一元化、③依頼用紙の所在や作成状況が追認可能なDBの運用を組み込んだ。これによりヒューマンエラーは低減できたが、システムエラーが数件発生した。これらは新出力ツールのバグ、モダリティ固有のDICOM違反やTag情報の不適切な値変換、キャプチャのDICOM辞書の不備など、一概に新システムが要因ではないことが初期段階で確認でき、大きな問題なく対処することができた。
【結論】
新規開発した出力ツールを基盤とした新システム運用では、従来法と比較しインシデントリスクの低減効果が得られた。軽微なシステムエラーも発生したが、初期段階で解決できた。