Japan Association for Medical Informatics

[4-F-2-OP29-4] 経時的差分像技術を用いた胸部CT画像上のGGO候補領域の検出

近藤 匡1, 陸 慧敏1, タン ジュークイ1, 金 亨燮1, 青木 隆敏2, 木戸 尚治3 (1.九州工業大学 機械知能工学科知能制御工学教室, 2.産業医科大学, 3.山口大学)

肺がんを診断する医師への負担軽減,検出精度の向上を目的としたCAD(Computer Aided Diagnosis)システムが注目されている.その技術の中で経時的差分像技術がある.経時的差分像は前処理として,現在・過去画像間の位置合わせが必要不可欠である.本論文では,胸部CT画像上で濃度が淡く早期発見が難しいGGO(Ground Glass Opacity)陰影を対象とした,アーチファクトを抑制する経時的差分像の生成法を提案する.具体的には,まず第1段階として非剛体画像位置合わせ法やIris Filterによるベクトル集中度を用いた初期GGO候補陰影を抽出する.次に,初期候補陰影に対し,Super pixelやGraph Cutsアルゴリズムによる精密抽出を行う.さらに,パターン識別手法と一つであるSVMによるGGO領域の選定を行い,得られる候補陰影に対し,3次元画像位置合わせ法であるVoxel Matching法を適用する.提案法を同一被験者も過去・現在画像で構成される20症例に適用した結果,経時的差分像上の差分アーチファクトが軽減でき,有効性を示すことができた.