Japan Association for Medical Informatics

[4-G-1-JS9-4] 多施設の電子カルテからの臨床症例DB構築とDB間連携

大江 和彦1, 田中 勝弥1, 河添 悦昌2 (1.東京大学大学院医学系研究科医療情報学分野, 2.東京大学医学部附属病院企画情報運営部)

日本腎臓学会の慢性腎臓病症例レジストリデータベースJ-CKD-DBや国立国際医療研究センター・日本糖尿病学会の糖尿病症例レジストリデータベースJ-DREAMSでは、医療機関の電子カルテシステムから生成されたSS-MIX2標準化ストレージや同拡張ストレージからデータがほぼ自動的に抽出され、筆者等が開発した多目的臨床データ登録システムMCDRSがセンターデータベースシステムとして使用されデータベース構築されている。多施設の電子カルテからデータを自動で収集する仕組みを稼働させるには、標準化とりわけコード標準化が達成されている必要があるが、細かいレベルでの相違を解消する必要が残されており、今回のこれらのデータベース構築によりいくつかの課題が判明しつつある。また両データベースに同じ医療機関から同一症例を匿名化して登録しているケースも多々あると考えられるが、これらを個人レベルで連結して解析するには、匿名化後データの突合せを可能にする手法の実証と、それをすることの倫理的手続きのクリアが必要である。本発表ではこれらの課題をとりあげ、将来にむけた効率のより電子カルテデータからのEDC(Electronic Data Capturing)手法のあり方と課題、および複数データベースのリンケージに関わる諸問題を紹介し、我々の取り組みを紹介する。