Japan Association for Medical Informatics

[4-I-2-OP30-1] RFIDシステムによる臨床検査検体の検査前プロセス管理

西村 仁志1, 山本 景一1, 眞部 正弘1, 福吉 葉子1, 大隈 雅紀1, 松井 啓隆1,2, 廣瀬 隼3, 宇宿 功市郎3 (1.熊本大学医学部附属病院 中央検査部, 2.熊本大学大学院生命科学研究部 臨床病態解析学分野, 3.熊本大学医学部附属病院 医療情報経営企画部)

【はじめに】近年、臨床検査分野ではより高いレベルでの品質管理が要求されている。当院検査部もISO15189認定取得後11年を経過する中で、徐々に検査プロセス全ての記録、管理を構築してきた。2015年1月検査システム・機器更新の際に、まず外来検体より、RFIDラベルを活用した検体情報統括管理システムを導入し運用効果を確認。その後、2017年1月病院情報システム更新の際に、院内全体でのRFID検体情報統括管理システムを導入し、院内で取扱う臨床検査検体全てを管理する取組みを始めた。今回導入したRFID検体情報統括管理システムについて、その概要と運用効果を報告する。【目的】RFID検体情報統括管理システムによる病棟外来検体の管理・運用の効率化と、病棟検体情報の可視化による検体の到着遅れや紛失リスク軽減対策を推進するなどの医療安全向上を目的とした。また検体検査業務のTAT情報解析を院内全体へ拡大していくことで、院内検査検体状況の管理、及び分析の効率化も目的とした。【結果】システムはRFID検体情報統括管理システム(TRIPS:テクノメディカ)、病院情報システム(KAIJU:IBM)、検体検査システム(La-vietal LS:シスメックスCNA)が連携し、従来の病院情報システムから出力される紙リスト運用による採取管準備・検体提出確認を、TRIPSの病棟検体情報取得により、医師・看護師の運用効率化及び検体の状況管理を可視化・分析可能とした。また、継続したTAT解析で外来検体も運用効率化ができている。【まとめ】RFID導入により、院内運用効率化・状況分析及び、稀に起こる検体紛失など医療安全を考慮した検査前プロセス管理が実現しつつある。しかしながら、より効果的に運用するためには、臨床検査技師以外のスタッフの本システムに対する十分な理解が必要であることを実感しており、その推進が今後の課題である。