Japan Association for Medical Informatics

[4-I-2-OP30-2] TAT( Turn around Time)管理改善の取り組み

臼井 哲也1, 賀来 敬仁2, 栁原 克紀2 (1.長崎大学病院 検査部, 2.長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科)

【目的】
近年、診療前検査や緊急検査での結果を迅速に報告するために、TAT(Turn around Time 以下TAT)管理をすることが求められている。当院のTAT管理には検査システムの機能を活用した管理を行っているが、現在の機能ではTATの平均時間のみの評価であり、極端に時間を要した検体があると平均時間が伸びるため、該当する検体情報を検索する機能はなく、問題を把握するのに時間を要する。そこで今回、平均時間による管理だけではなくTAT目標時間に対する達成率(目標時間以内に報告できた件数の割合)による管理を行うことで、TATをより詳細に評価することが可能な検査システムに改善したので報告する。
【対象・方法】
対象は、外来迅速検体検査加算項目である血液、生化学項目とし、今までは、TATは検査部での到着確認から結果報告を採血終了から結果報告までとし、TATの分布と達成率を評価した。
【結果】
現在の検査システムではTATの平均時間、最大経過時間、最小経過時間、テスト数、容器数のみの評価であったのが、今回の改善により極端に時間を要した検体情報(患者情報)も容易に抽出することが可能になった。さらに、TAT目標時間に対する達成率が評価可能となり、月ごとので集計を実施し、曜日ごとのTAT目標時間達成率推移を加えることで詳細に評価することが可能になった。さらに、TATが遅延している患者情報を簡便に入手できるため、原因追及も容易になるため、評価もしやすくなると思われる。

【まとめ】
TATの平均時間に加えTAT目標時間に対する達成率や遅延している患者の追及などを評価することで、検査室の業務改善の有効な手段となり、TAT短縮による患者サービスの向上を図っていきたい。