Japan Association for Medical Informatics

[2-A-4-5] WHO-ICHI医療処置手術コード標準化の動向と外保連手術コードSTEM7との比較

川瀬 弘一 (外科系学会社会保険委員会連合(外保連))

 WHOは国際統計分類の中心分類として、国際疾病分類(ICD)と国際生活機能分類(ICF)、医療行為の国際分類(ICHI)を設けている。ICHIは現在開発中であり、これがWHOで承認されると、国際統計報告や診療報酬体系に影響を及ぼす可能性がある。現在は暫定版の ICHI β 2018版がブラウザ上(https://mitel.dimi.uniud.it/ichi/)に公表され、ここより意見提出が可能である。今後は各国で使用されている医療行為分類とICHIとのマッピング作業やフィールドテストを行い、平成31年にはICHI final版を完成しWHOでの承認を目指している。
 ICHIは、Target 3桁、Action 2桁、Means 2桁の3つの基本構造からなり、コード数は6,090件である。これに必要に応じてExtension codesを付記して最終的なコードとなる。Targetは身体部位のコード以外に活動、環境、行動も含まれ、コード数は650、Actionは治療の他に診断、マネージメント、予防も含まれ、コード数は115、Meansはアプローチ方法の他に試料等も含まれ、コード数は49である。
 平成30年診療報酬改定で、データ提出加算で提出を求めるデータとして、Kコードに外保連手術コードSTEM7を併記することが定められた。STEM7は、操作対象部位3桁、基本操作2桁、手術部位への到達法1桁、アプローチ補助器械1桁の7桁を連結したコードで、手術試案第8版(外保連試案2012)より全外保連術式に付記している。今回外保連術式にないKコードにもSTEM7を併記した。これらを診療情報管理士等に確認いただいたことで約80件の疑義、質問がありSTEM7を修正している。
 コードが類似しているSTEM7とICHIの比較検証は、ICHI開発にわが国の意見を発信でき、ICHIを利用しやすいコードにしていきたい。