Japan Association for Medical Informatics

[2-E-1-5] 診療における統合Viewerのあり方の検討~Oncology領域の場合~

向井 まさみ1, 中島 典昭1, 塩川 康成2, 杉山 真哉3, 三原 直樹1 (1.国立がん研究センター中央病院医療情報部, 2.キヤノンメディカルシステムズ株式会社ヘルスケアIT事業統括部, 3.キヤノンメディカルシステムズ株式会社先行技術研究部)

【背景】医師の記事記載や看護記録、各種検査レポート、文書など(以降、コンテンツと呼ぶ)は、電子カルテのサブシステムに分散保管されている。効率的な診療を行うためにこれらを一元管理し統合的に閲覧するViewer機能への現場のニーズは大きい。【目的】利用者やシーンに応じた診療上必要なコンテンツを、利用者の手間なく適切に閲覧可能とするために必要な要素を検討し、統合Viewerに反映、検証することである。【対象】3つの診療科の直近2か月分の患者10,433人で、電子カルテ上の医師の操作ログ(コンテンツ参照関連87種類)およびオーダ実施情報189種類である。【方法】表示されるコンテンツを整理し、閲覧パターンを検討した。パターンはおおよそ診療科(当院の場合は、疾患とほぼ同値)と疾患、診療のイベント(検査や治療前後など)の組み合わせで表現できると仮定し、統合Viewerにおける適切な表示マスタを検討した。【結果】数種類のマスタを作成し、統合Viewerのプロトタイプに反映することができた。【考察】今回取得し評価できた情報は電子カルテ内の操作のログに限られている。現在の病院情報システムは、多部門/マルチベンダシステムで構成されるのが一般的であるため、これらのシステムの操作ログも統合して解析を進めた上で、コンテンツを適切に表示する要件を整理することが望ましい。また、本研究で作成したプロトタイプ画面の臨床医による主観的評価、従来の電子カルテと本統合Viewer機能を利用した際のコンテンツ閲覧時間における定量的な比較検討も行う必要がある。【結語】利用者やシーンにおける必要なコンテンツ情報を検討しマスタ化することで、統合Viewer上、利用者の手間の少ないコンテンツの適切な閲覧可能性が示された。