Japan Association for Medical Informatics

[2-F-1-6] 病院情報システムに関する問い合わせ対応効率化のための自動音声応答システムの構築

南部 恵理子1, 野崎 一徳1, 玉川 裕夫1, 林 美加子2 (1.大阪大学歯学部附属病院医療情報室, 2.大阪大学大学院歯学研究科口腔分子感染制御学講座)

1.背景 病院情報システムや病院情報端末に関する院内各診療室からの問い合わせ対応を実施するコールセンター的業務は、煩雑且つ冗長な部分が多い。問い合わせ内容は、カルテの入力方法からシステムの不具合、病院情報端末の故障・不具合に関するものまで様々である。2017年度の病院情報システム関連のQ&A件数は255件であり、そのうち4割は病院情報システム運用マニュアルに記載のある、システム操作方法に関する質問であった。これら問い合わせへの応答業務により、深刻で調査が必要な問題に対する解決が遅れ、その結果、外来患者の会計待ち時間にまで影響が及んでいるのが現状であり、業務効率化と患者の会計待ち時間の短縮を検討する必要がある。2.目的 問い合わせ自動音声応答システムを構築し、システム導入前後での担当者による応答業務件数の比較と、システムによる回答の正確度を検証する。3.方法 病院情報システム運用マニュアルの記述と、過去のQ&A集をデータベース化する。質問者から医療情報担当者へ電話した際、自動応答システムが質問内容を聞き出す。自然言語処理によって質問者の音声を認識し、質問をテキスト化、意味解析を行う。そこから抽出したワードを元に、マニュアルDBとQ&A集DBを検索し、該当したデータから適切な回答のテキストを構築し、音声化して質問者に伝達する。回答内容に対して、質問者から正確度を判定してもらい,学習することにより回答の正確さを向上させる。データベース上に該当するデータが存在しなかった場合のみ、担当者へ電話を繋ぎ、質問者と担当者間の対話内容を学習用DBに蓄積することで、回答可能な事例を増やす。4.結果 病院情報システムのイントラネットワーク上にてデータベース構築と、自動応答システムの構築を行う。