Japan Association for Medical Informatics

[2-F-2-1] 早期退院支援の介入を阻害する要因分析

札元 和江1, 川崎 博史1,2, 山本 むつみ1, 宇都 由美子2 (1.鹿児島市立病院, 2.鹿児島大学大学院医歯学総合研究科医療システム情報学)

[背景・目的]筆者らが取り組んできた研究において、退院支援の各プロセスの介入までの経過日数が短い群が、DPC入院期間Ⅱ期以内の退院割合が高いことが明らかとなった。そこで、退院支援の各プロセスの介入を早期に実施できない要因を明らかにし、効果的な退院支援体制の確立を目指す。[方法]平成28年4月1日から平成29年3月31日にA総合病院を退院したDPC対象の患者のうち①退院支援・退院調整が行われた患者の基本属性、主要診断群分類(MDC)、入院区分、DPC入院期間、退院先を抽出した。②①のデータをDPC入院期間がⅡ期以内とⅢ期の患者群に分類し、これらの特性を明らかにした。③3段階の各プロセスの入院から実施までの経過日数をそれぞれ基準日より短い群と長い群とに分け、介入までの長い群の特性を明らかにした。④退院先毎・MDC毎の退院調整依頼までの経過日数と退院調整日数を明らかにした。[結果]DPC入院期間Ⅱ期以内とⅢ期の患者群の入院区分では、どちらも緊急入院割合が最も高かった。入院から退院調整依頼までの経過日数が、入院期間Ⅱ期では、平均9.3日で、Ⅲ期では、23.4日であった。スクリーニングと退院調整依頼の介入までの長い群は、緊急入院割合が高かった。退院先では、在宅への入院から退院調整依頼までの日数と退院調整日数が長かった。MDC毎で入院から退院調整依頼までの日数と退院調整日数のいずれも長かったのは、03(耳鼻科系疾患)、14(新生児疾患、先天性奇形)、18(その他)であった。[考察]早期退院支援を困難にしている要因の一つに、退院調整を開始する時期(タイミング)の遅れがある。特に在宅への退院時は、住宅状況や在宅における介護力、介護サービスなど患者を取り巻く環境調整に時間を要する。効果的な退院支援を実施するためには、退院調整の介入時期や患者・家族への入院前、入院時からの関わりが重要であると考える。