Japan Association for Medical Informatics

[2-F-2-5] SOFAスコアと入院診療コストの関連要因分析

岩穴口 孝1,2,3, 宇都 由美子2, 村永 文学3, 熊本 一朗2 (1.鹿児島大学病院 看護部, 2.鹿児島大学大学院医歯学総合研究科, 3.鹿児島大学病院 医療情報部)

【背景】平成30年度からのDPC導入の影響評価に係る調査において、特定集中治療室管理料を算定する患者については入退室時のSOFAスコアの評価が要件化された。SOFAスコアが、患者状態に応じた診療報酬算定の客観的指標となり得るかについて、診療コストも合わせて分析した。【方法】2017年8月1日から2018年3月31日にA大学病院を退院した患者を対象とした。ICU入室時、入室翌日、退室時のSOFAスコアと、評価日およびICU入室以降(ICU退室日および退院時まで)の診療コストの関連性について分析した。【結果】ICU入室日および退室日のSOFAスコアは、評価日、ICU入室期間平均、ICU入室以降退院時までの平均診療コストと弱い相関があった。ICU入室翌日のSOFAスコアは、それぞれの診療コストと相関が確認できた。診療コストの内訳を確認したところ、血液製剤の影響が大きく、その他に処置料としての血液浄化用フィルター、注射料としてのDIC治療薬や鎮静薬、画像診断料としての血管造影用医薬品が影響していた。【考察】先行研究においては、ICU入室翌日のSOFAスコアがICU在室日数に与える影響が明らかになっている。本分析結果から、ICU入室翌日のSOFAスコアが客観的生理学的指標に基づく患者状態に応じた診療報酬算定の基礎資料となり得ることが確認できた。